宇都宮LRT構想、事業費は412億円…車両増加などで1.6倍に

鉄道 行政
宇都宮市のLRT導入予定ルート概略図を基に作成したルート図。鬼怒川付近の約3.5kmが専用軌道で、その他は併用軌道となる。併用軌道では基本的に道路中央を走り、道路の車線数は大半の区間で現在より減る
宇都宮市のLRT導入予定ルート概略図を基に作成したルート図。鬼怒川付近の約3.5kmが専用軌道で、その他は併用軌道となる。併用軌道では基本的に道路中央を走り、道路の車線数は大半の区間で現在より減る 全 3 枚 拡大写真

「次世代型路面電車」と呼ばれる軽量軌道交通(LRT)の導入を目指す宇都宮市は8月26日、概算事業費や採算見込み、検討している軌道の導入予定ルートを明らかにした。市内区間の事業費は車両の増加などにより、従来の想定を約1.6倍上回る約412億円と試算した。

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同日開かれた、同市と隣接する芳賀町による「第5回芳賀・宇都宮基幹公共交通検討委員会」で市が示した。

宇都宮市は、JR宇都宮駅東口から市東部の宇都宮テクノポリスセンター地区までの約12kmと、隣接する芳賀町への延伸部分約3kmの計約15kmを優先整備区間としてLRTの導入を目指している。宇都宮市内の約12kmの区間に関しては、2001~2002年に実施した調査を基に、これまで概算事業費を約260億円と見込んでいた。

今回示された市内区間の事業費の試算について市は、施工単価の見直しや現在の技術基準への対応のほか、沿線事業所の従業員アンケート結果に基づく利用者数見込みの増加で車両を増やしたことなどを受け、従来の想定を上回る約412億円になったと説明。これまでの試算では長さ18m級で検討していた車両を30m級とし、編成数の想定も10編成から18編成に増やしたため、車両費は従来の試算より約37億円増加した。また、勾配や曲線を抑えるため2区間を高架化することで約46億円、快速列車を走らせるために必要な追越線(2カ所)などの整備で約6億円増となるなど、全体では従来の試算より計152億円増えた。

一方、採算の見込みについては、沿線事業所の従業員アンケート結果で「快速がなくても利用する」との回答に基づき算出した「ケース1」での収入額が「7億8400万円+α」、「快速があれば利用する」との回答も踏まえた「ケース2」で「12億5500万円+α」になると試算。ケース1ではピーク時に6分間隔、ケース2では4分間隔の運転を想定しており、運営費はケース1で7億1600万円~9億2400万円、ケース2では8億2000万円~10億4900万円と試算した。

収入は従来の試算では7億4400万円となっており、市は「採算の見通しが更に高まった」と強調するとともに、快速運転などで速達性の向上が図れる場合は「より安定した事業運営につながることが確認できる」としている。また、収入額の「+α」は、JR宇都宮駅方面へ向かう通勤・通学など今回の試算に含まれていない利用者からの収入を指しており、市はこれらの需要についても今後把握していきたいとした。

導入ルートについては、これまでの概略より詳細な検討案を示した。軌道は併用軌道区間の大半で道路の中央を通す想定で、起点となるJR宇都宮駅東口から国道4号の交差部までは現在6車線の車道を4車線化。国道4号交差部は4車線ある既存の跨道橋を2車線化して軌道を通し、国道4号から新4号国道までの区間は、現在4車線ある車道のうち東へ向かう側を2車線、西へ向かう側を1車線とするなど、道路の車線数の想定が示された。

また、新4号国道との交差区間は盛土部分をくぐる形とすること、鬼怒川左岸の一部と清原工業団地北端付近~野高谷交差点付近では軌道を高架化することなども説明した。車両基地の場所と規模はどうなるかとの質問に対しては、新4号国道周辺に25編成程度を収容できる規模で想定していると答えた。

委員会で同市の荒川辰雄副市長は「速達性が確保されると需要の向上が見込まれることが確認できた」とした上で、快速運行に伴う追い越し線確保や、併用軌道ではない区間の制限速度について協議や調整を進めていきたいと述べた。

《小佐野カゲトシ@RailPlanet》

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