鉄道の災害運休、昨夏の水害不通が解消…8月末

鉄道 企業動向
8月末の災害運休区間。山口線と山陰本線などの全線再開により、前月末に比べ約60km減少した。
8月末の災害運休区間。山口線と山陰本線などの全線再開により、前月末に比べ約60km減少した。 全 2 枚 拡大写真

自然災害による鉄道路線の運休区間は、8月末時点で4社10線11区間。合計距離は303.9kmで、7月末に比べ60.3km減少した。

【画像全2枚】

2013年7月の水害による運休区間は8月23日までに全て復旧した。今年7月の台風8号による運休区間も8月8日までに解消されている。一方、8月は台風12・11号や局地的豪雨などの被害が相次ぎ、運転の見合わせも各地で多数発生したが、可部線を除き月内に運転を再開した。可部線も9月1日の初発から運転を再開している。

東日本大震災による長期運休区間のうち、山田線宮古~釜石間は三陸鉄道への運行移管案が沿線自治体によって「有力な選択肢」に位置づけられた。今後は運行移管案を中心に、復旧に向けた協議が進められる見込みだ。また、2013年9月から運休が続く信楽高原鐵道は11月の再開が決まった。

■JR東日本 山田線 宮古~釜石(岩手県) 55.4km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。代行輸送は行われていないが、岩手県北バスと岩手県交通の路線バスによる振替輸送が行われている。

当初はバス高速輸送システム(BRT)の導入による再開が考えられたが、鉄道による早期再開を求める沿線自治体が難色を示していた。JR東日本は今年1月、三陸鉄道への運行移管案を提示。同社が線路施設を復旧した上で列車の運行は三陸鉄道に移管し、さらに10年分の赤字額に相当する支援も打ち出した。

岩手県や沿線の自治体は8月、移管案を「有力な選択肢」と位置づけて意思統一を図っており、今後は赤字補てんの拡充などを中心に協議が進められるとみられる。

■JR東日本 大船渡線 気仙沼~盛(宮城・岩手県) 43.7km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。2013年3月から鉄道復旧までの暫定策としてBRTを導入し、線路敷地の一部を活用したバス専用道を整備した。

現在のBRT運行区間は気仙沼~盛間(長部経由)と鹿折唐桑~上鹿折間、陸前矢作~陸前高田間。このうち竹駒駅付近0.5kmと小友駅付近~大船渡~盛間13.2kmに専用道が整備された。ただし大船渡駅付近は土地区画整理事業に伴い、8月5日から一般道経由に変更されている。8月18日からは気仙沼~鹿折唐桑間で専用道化工事に着手した。

■JR東日本 気仙沼線 柳津~気仙沼(宮城県) 55.3km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。2012年8月から鉄道復旧までの暫定策としてBRTを導入し、線路敷地の一部を活用したバス専用道を整備した。

バスは気仙沼線の不通区間と同じ柳津~気仙沼間で運行されており、陸前戸倉~志津川間のうち陸前戸倉寄りの3.5km、志津川~清水浜間の中間部3.8km、歌津~陸前小泉間のうち陸前小泉寄りを除く5.1km、本吉~小金沢間のうち本吉寄りの2.0km、陸前階上~最知間とその前後の5.0km、不動の沢~気仙沼間3.3kmは専用道を走行する。ただし志津川~清水浜間は早朝や夜間の一部を除いて専用道を通らず、一般道区間に設置したベイサイドアリーナ駅を経由する。

■JR東日本 石巻線 浦宿~女川(宮城県) 2.5km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。2015年春の再開を目指す。終点の女川駅は内陸側に移設する。

■JR東日本 仙石線 高城町~陸前小野(宮城県) 11.7km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。津波対策としてルートを内陸側に移設する工事が現在進められており、2015年6月までに再開する予定となっている。

また、東北本線塩釜~松島間と仙石線松島海岸~高城町間の線路が隣接する部分に新しい接続線(仙石線・東北本線接続線)を整備する計画があり、高城町~陸前小野間の再開と同時に開業する予定。これにより、仙台~石巻間を東北本線~接続線~石巻線経由で結ぶ列車が「仙石東北ライン」の愛称で運行される。

■JR東日本 常磐線 竜田~原ノ町(福島県) 46.0km
2011年3月に発生した東日本大震災による福島第一原子力発電所事故の影響で運休中。バスによる代行輸送や振替輸送も行われていない。運休区間のうち夜ノ森・大野・双葉各駅は帰還困難区域に入っており、被害調査も実質不可能な状態が続いている。富岡・浪江・桃内・磐城太田各駅は避難指示解除準備区域に移行している。

■JR東日本 常磐線 相馬~浜吉田(福島・宮城県) 22.6km
2011年3月に発生した東日本大震災の津波で路盤が流失するなどの被害。ルートを内陸側に移設した上で2017年春にも再開する予定。今年5月から線路の工事に着手している。

■JR東日本 只見線 会津川口~只見(福島県) 27.6km
2011年7月の豪雨で橋桁が流失するなどの被害。この区間はもともと利用者が極度に少なく、JR東日本は今年10月以降、復旧の可否を判断する意向を示している。福島県と沿線自治体はJR東日本に対し、復旧工事費の約4分の1を負担する提案を行っている。

■JR東海 名松線 家城~伊勢奥津(三重県) 17.7km
2009年10月の台風18号により橋台の流失や土砂の流入などが発生。JR東海は当初、鉄道を廃止する方針を打ち出していたが、関係自治体が鉄道施設周辺の治山事業などを実施することを条件に復旧の方針に転換した。2015年度内の再開が予定されている。

■信楽高原鐵道 信楽線 貴生川~信楽(滋賀県) 14.7km
2013年9月の台風18号による大雨で橋桁が一部流失し、全区間運休中。一時は廃止の可能性も取りざたされていたが、滋賀県の支援や国の補助により復旧が決まった。復旧工事は順調に進んでおり、11月29日に再開する予定。

■JR西日本 可部線 緑井~可部(広島県) 6.7km
8月19日深夜から20日未明にかけ、局地的な豪雨による大規模な土砂災害が発生。可部線も土砂流入や線路冠水、法面(のりめん)崩壊など被害を受けた。9月1日の初発から再開している。

◎(再開)JR東日本 磐越西線 喜多方~山都(福島県) 9.9km
7月の台風8号による大雨の影響で線路に土砂が流入するなどの被害が発生。8月8日13時頃から運転を再開した。

◎(再開)JR東海 中央本線 坂下~野尻(岐阜・長野県) 18.3km
7月の台風8号による大雨の影響で橋りょうが流失するなどの被害が発生。8月6日から運転を再開した。

◎(再開)JR西日本 山陰本線 須佐~奈古(山口県) 19.8km
2013年7月の豪雨で橋脚の沈下などが発生。その後復旧工事が進められ、8月10日に運転を再開した。

◎(再開)JR西日本 山口線 地福~津和野(山口・島根県) 19.0km
2013年7月の豪雨で橋りょうの流失などが発生。その後復旧工事が進められ、8月23日に運転を再開した。

《草町義和》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『セリカ』ついに復活へ、GRスポーツ戦略は3本柱に?
  2. 【スズキ ワゴンR 新型試乗】「MTが少ない」と嘆くあなたに、『ワゴンR』があるじゃない…中村孝仁
  3. ホンダ『プレリュード タイプR』始動か!? VTECターボ搭載、330ps超の史上最強クーペ誕生へ
  4. ホンダアクセス、『フィット』向け「テックマチックシステム」改良…マルチビューカメラ装備車にも対応
  5. 置くだけ20秒設置、スズキ『スペーシア』系列専用「LEDコンソールボックス」発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 警察庁、高齢運転者技能検査を見直しへ 合格者の事故率を追跡調査してみたら…
  2. AIDVの開発にもAIを活用、日産がプラットフォームをデモ…AWS Summit Japan 2026
  3. フィジカルAIがもたらす自動車業界の地殻変動とモビリティの未来…博報堂DYホールディングス 執行役員 CAIO 森正弥氏[インタビュー]
  4. FORVIA HELLA、12Vリチウムイオン電池パック発表…鉛蓄電池より約20%軽量化
  5. 【セミナー見逃し配信】※プレミアム・法人会員限定 全固体(半固体)電池の現在地と将来展望~問われる全固体電池ならではの優位性とその価値の再定義~
ランキングをもっと見る