【インタビュー】シミュレーション技術で、日本の製造業の発展に貢献したい…アンシス・ジャパン大古俊輔社長

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アンシス・ジャパン 大古俊輔社長
アンシス・ジャパン 大古俊輔社長 全 16 枚 拡大写真

モノ作りに欠かせないシミュレーション・ツールを提供

自動車の開発に欠かせないツールを提供しながら、一般には意外と知られていないのがアンシスという会社だ。1970年代にアメリカで生まれたアンシスは、構造から流体、電磁場、システム・回路まで、幅広い領域にわたって製品開発に必要なシミュレーションのソフトウェアを提供している。そのユーザーは自動車をはじめ航空宇宙、電気・電子機器といった業種に留まらず、医療・バイオや農業、食品など、非常に多岐にわたる。知名度の高いところでいえば、ダイソンの「羽根のない扇風機」やスピード社の競泳用水着の開発に、アンシスのシミュレーション技術が活用されている。

【画像全16枚】

自動車業界向けには、構造の強度などをシミュレートする構造解析にはじまり、熱の伝わり方、気体の流れ、電磁界、システムや回路など、それこそ、自動車開発に関わるほとんどの場面に、アンシスのソリューションが用意されているほど。そのため、日本の自動車メーカーだけでなく、サプライヤーの多くにアンシスのツールが導入されているのだ。

アンシス・ジャパンの代表、大古俊輔社長は、同社の強みを次のように説明する。

「構造や流体など、個々の解析ツールを用意しているところはありますが、弊社のようにストラクチャーから流体までの解析ツールや、組み込み系ソフトの開発ツールまで幅広いソリューションを用意するベンダーは、他にいません」

しかも、アンシスの場合、構造や流体といった個々の解析ツールを独立して使うだけでなく、「マルチフィジックスソリューション」と呼ぶ、横断的な活用法を用意。さらに、構造・電磁界・熱といった物理的解析と回路・システムを融合させる総合シミュレーションも可能としているのが特徴だ。

「私どもが目指すのは、モノづくりのプロセスのイノベーションのお手伝いです。モノを作るときは、商品企画からスタートし、それを設計し、その後、適正かどうかの評価・試験を行います。その結果を設計にフィードバックして、グルグルまわして製品を完成させます。そのサイクルをいかに短くするか。変化する市場をいかに迅速にキャッチアップするのかが重要です。そこを我々がお手伝いする。そうした私たちのビジョンは、シミュレーション・ドリブン・ディベロップメント。SDPDと呼ぶ、シミュレーション主導の製品開発です」と大古氏。

精度の高いシミュレーションが可能となれば、より企画から設計を経て完成に至るモノづくりの時間が短縮できる。そのためアンシスは、幅広いソフトウェアを提供しようというのだ。

◆日本のモノ作りの進化を最新のソリューションでサポートする

しかも、アンシスにとって日本は非常に重要な市場だと大古氏は言う。

「アンシスにとって、日本はアメリカに次いで世界で二番目のお客様です。また、日本の製造業は強く、その要望は厳しいんですね。けれど、それに対応することでアンシスの製品力が高まります」

また、FCV(燃料電池車)など日本の自動車メーカーの新技術への挑戦にもアンシスはサポートしていきたいとも言う。「外資とはいえ、日本でビジネスをやっていく以上は、日本のメーカーさんに強くなってもらわないと困りますからね」と大古氏。実際に日本メーカーのためにFCV専用の解析ツールを開発して提供しているという。

環境性能向上をはじめIT化の進行や多様化するニーズへの対応など、自動車メーカーへの新型車開発のハードルは高まるばかり。そうした最新の技術が求められる一方、安全性や信頼性も常に従来よりも高いものが求められている。そんな厳しい状況の自動車メーカーにとって、開発ツールを提供するアンシスのような存在は、非常に頼もしいものと言えるだろう。

アンシス・ジャパンは、「クルマとエレクトロニクスの国際カンファレンス」とうたう業界イベントを2014年10月9日、10日に開催する。同時開催される自動車産業向け「Automotive Simulation World Congress 2014」および、エレクトロニクス産業向け「ANSYS Electronics Simulation EXPO 2014」は、各産業分野に特化した国際カンファレンス。アンシスとして初めて日本で開催される同カンファレンスでは、アンシス本社の最新情報、フェラーリ、BMWなどの海外担当者による基調講演のほか技術発表、導入実績の紹介などがおこなわれる予定だ。

会場は、JPタワー・ホール&カンファレンス。参加費は無料、同社ウェブサイトから事前に申し込みをおこなう。500名の来場者を見込んでいる。

《鈴木ケンイチ》

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