防衛省、政府専用機の位置情報の非表示を申し入れ

航空 行政
羽田空港に着陸した政府専用機。FlightRadar24で飛来を把握し、撮影に向かうということは多くの航空ファンにとっては一般的だった。
羽田空港に着陸した政府専用機。FlightRadar24で飛来を把握し、撮影に向かうということは多くの航空ファンにとっては一般的だった。 全 5 枚 拡大写真

3日、読売新聞などの国内メディア各社が「日本の政府専用機の位置情報がインターネットサイトで閲覧できる状態にあった」という情報を一斉に報じた。空港に集い、撮影を行う航空ファンであればスマートフォンに入れていることが多いアプリケーションが問題となった。

そのアプリケーションは「FlightRadar24」で、航空機に搭載された機器が発信する信号(ADS-B)を元に、現在地の情報を表示するというものだ。航空機が発信するGPS連携の位置情報や高度、速度などの信号を世界各地の有志が無線機で受信。その情報をFlightRadar24のサーバーにインターネットを介して送信し、FlightRadar24は地図上に航空機を表示するPC向けサイトや、スマートフォン向けアプリケーションで公開している。

航空自衛隊が運航する政府専用機(ボーイング747-400型)は、通常の民間機と同様にADS-B信号を発信する機器を搭載しており、政府専用機と運航する際はもちろん、主として新千歳~羽田間で行う回送運航の際にも他の民間機と同様に位置情報の発信を行っていた。その事実は航空ファンの間では常識となっており、ここ最近で始まったというものでもない。

防衛省は今回の指摘を受け、FlightRadar24に対して「政府専用機の位置情報を反映させないように」との申し入れを行い、8月以降は回送運航も含めて一切表示されなくなっているという。

しかし、機体が発信する信号はこれまでと同様なので、ADS-B信号を受信する環境があり、FlightRadar24以外の方法で位置情報を把握しているような場合は何らの影響も及ぼさないようだ。また、音声による航空管制との交信もこれまでとは変わらないので、航空管制の交信を受信できる環境にあれば、音声通信によっておおよその位置情報を把握できる。

アメリカの大統領専用機(VC-25)にもADS-B信号を発する機器は搭載されているが、高度と速度、進行方向のみを発信し、位置情報の通報はキャンセルされている。機器の設定次第でこうした運用を行ったり、位置情報を含めた表示を認めても、飛んでいる機体についての詳細情報をわからないようにする表示(BLOCKED)も可能だという。

位置情報の発信について、防衛省は「位置情報を発信することは運航の安全を考えた上では必要不可欠で、信号を発信していることは航空自衛隊も認識していたが、今後は航空当局のみが閲覧できるようにした」と説明している。

《石田真一》

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