【スズキ ワゴンR 試乗】静かな再起動を可能にしたS-エネチャージ…諸星陽一

自動車 ニューモデル 新型車
スズキ ワゴンR FZ
スズキ ワゴンR FZ 全 18 枚 拡大写真

軽ワゴンをけん引している人気の『ワゴンR』が一部改良を受けた。もっとも大きな変更点は「S-エネチャージ」の採用にある。試乗したのは「FZ」。

従来から採用されている「エネチャージ」では、回生したエネルギーを電装品に使っていたが、S-エネチャージではこの回生エネルギーを加速時のモーターアシストにも使用する。S-エネチャージが装着されるのはワゴンR FZと『ワゴンRスティングレーX』。ワゴンR FXとワゴンRスティングレーTは従来どおりのエネチャージを採用。ワゴンR FAにはエネルギー回生機構は装備されない。

S-エネチャージの要となるのがISGと呼ばれるモーター機能付きの発電機。ISGはオルタネーターの代わりに配置される。つまりオルタネーターがモーターの役割もすると考えればいい。エンジンの最初の始動は通常のセルモーターで行われるが、その後のアイドリングストップ時からの再始動ではセルモーターは使われず、ISGによって再始動する。また15~85km/hの間で最大6秒間のモーターアシストが行われる。

アイドリングストップは従来タイプのエネチャージ同様に13km/h以下で行われるが、従来タイプよりもストップするときのスムーズさが増しているような印象があった。再始動に関してはあきらかに静粛性が増し、振動が減っている。セルモーターでの始動はキュルキュル音が伴うが、ISGによる再始動はじつに静か。赤信号で止まった際、ためしにイグニッションをオフにしてあえてセルモーターで始動してみたが、あきらかにノイジー。そして、エンストした感が大盛りなのである。

モーターアシストは強い加速を得るためでもなければ、速く走るためでもない。あくまでもエンジンの負担を軽くして、燃費を稼ぐのが目的。アシスト中はインパネに表示によって知ることができるが、身体で感じることはできなかった。

従来型エネチャージを採用するFX(CVT)のJC08モード燃費は30.0km/リットル、S-エネチャージのFZ(CVT)は32.4km/リットル。と燃費を一気に向上。実用燃費でどれくらいまで伸びるのかに興味が湧く。

パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る