燃料電池スタックの白金使用量を10分の1に…九大などが技術を開発

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九州大学と科学技術振興機構、白金粒径と密度の低減による白金表面有効活用する技術を開発
九州大学と科学技術振興機構、白金粒径と密度の低減による白金表面有効活用する技術を開発 全 1 枚 拡大写真

九州大学と科学技術振興機構は、カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所や工学研究院の中嶋直敏教授らの研究グループが固体高分子形燃料電池の白金使用量削減に成功したと発表した。

燃料電池車は、価格が高く、普及には高いハードルがある。この高価格の原因となる燃料電池セルのうち、4分の1近くを、触媒に使う白金のコストが占めている。白金の使用量を抑えた燃料電池の開発が急務となっている。

燃料電池スタックの触媒反応の際、白金粒子の表面が利用されている。このため、白金の使用量を削減するためには、同じ白金の量でなるべく大きな表面を作り出せばよいことになる。

同じ重さ当たりの表面積(比表面積)を大きくする最も簡単な方法は、粒子の直径(粒径)を小さくすること。今回研究グループは、触媒となる白金粒子を固定化する(担持する)導電性カーボンにポリベンズイミダゾール(PBI)と呼ばれる接着剤のような物質をあらかじめコーティングしておくことで、白金粒子が均一に担持できる技術を開発した。

従来の触媒作製手法と異なるこの独自技術を「ナノ積層技術」と名付けた。ナノ積層技術を利用し、仕込む白金粒子原料の添加量を少なくすると、白金粒子が大きく成長できずに、小さく止めることができ、燃料電池セルに用いる白金使用量を従来の10分の1に削減することに成功した。

現在、燃料電池車1台に約50gの白金が使用されている。白金1gが5000円程度で、単純計算で1台当たり白金だけで25万円かかっている計算になる。今回開発した技術は、燃料電池車のコスト削減に大きく寄与する可能性がある。

研究チームは今後、自動車メーカーと共同で実作動条件におけるテストなどを重ね、5年後の実用化を目指す。

《レスポンス編集部》

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