【マツダ ロードスター 新型発表】「このクルマに投資すると決めた時が一番嬉しい」…藤原常務インタビュー

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マツダ・ロードスター
マツダ・ロードスター 全 12 枚 拡大写真

9月4日、新型『ロードスター』を、東京/モントレー/バルセロナの世界3か所のファン参加型イベントで世界初公開したマツダ。同車の商品企画などを担当した常務執行役員である藤原清志氏に話を聞くことができた。

----:ロードスターにおいて藤原さんは、商品企画のトップということになるのでしょうか?

藤原:難しいですね。何でも屋なんですよ。コスト革新担当もあるでしょ。コストになると、モノ作りでも私が出ていかないといけない(笑)。実際にエンジンを作ったり、車両を作ったりするのは、別の常務がおりまして。それ以外の領域は、全部、お前がやれ! と。

私が、このロードスターでやったのは、どちらかというと「今は出すな!」ということですね。

----:開発なのに「出すな」というのはどういうことですか?

藤原:経営陣には、その時々の“風”みたいなものがあるんですね。この風のときに、この企画を持って行くとツブされるので、ちょっと調子が悪いということにして待とう! とか。「ちょっと、ちょっと、山本(ロードスター主査)待て!」と、「2か月遅れたことにして」と言ったり(笑)。

----:先ほどのイベント(「マツダ ロードスター THANKS DAY in JAPAN」)のトークショーでは、「いかに経営陣を騙すか」という話も出ましたけれど?

藤原:弊社は、わりとクルマ好きが経営陣に多いと思うのですけれど、そうは言っても、お金を握っている人とか総務関係とか、いろいろな立場の方が会社を経営しているので、全員がクルマ好きとは言えないし、全員がロードスターの心を分かっているとは言えないので。その人たちをいかにうまく、ひとつにして、GOをかけるかというのは、すごく大きな私たちのイベントなんですよ(笑)。

特にロードスターは10年に一度(のモデルサイクル)なので。全員の様子を見ながら、今なら行ける! と。騙してないですよ。風を読んでいるだけです(笑)。「まだダメだ」、「よし! いまだ帆を張れ!」って、いう一瞬。そこです。ここまで来れば私の仕事は終わっています。本当に、このクルマに何百億円かけると決めた瞬間が一番嬉しいとき。これで10年、またロードスターをファンの人が喜んでいけるものにできるなというのが、ひとつ大きな山でした。

----:それって、リーマンショックの2008年ころですか?

藤原:いや、それはもっと後ですね。もちろんスタートは2008年とか2009年あたりですけれど。とりあえず開発はスタートしてもいいよ~と。最初のころは、あまり気にされてないです。お金は、開発だけですから人の給料だけ。「何人でやるんだ?」「これくらいです。ちょっとだけ」「ウソ言うな。お前ら、あんまり人を使うなよ」とかやっていったのが2009年くらいですね。その後、何年かして「もうちょっと使わせてください」と言って、試作車を作り始めるんですね。そこまでは、割とそうでもない。最後の最後にドンとお金をかけるときはタイミングを見計らって、「『CX-5』はうまくいったし…」と。

----:CX-5の後ですか? CX-5のデビューは2012年ですよ!

藤原:そのへんが、最後の風を待っているときで。「よしよしよし。きたきたきた。いけ~~!」ってやつですよ(笑)。あれがうまくいってなかったら、また、遅れていましたね。

《鈴木ケンイチ》

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