JR北海道、新型特急車の開発を中止…試作3両は検測車に転用か

鉄道 企業動向
開発の中止が決まったキハ285系特急形気動車のイメージ。まもなく完成する試作車3両は検測車として活用することなどを検討していくという。
開発の中止が決まったキハ285系特急形気動車のイメージ。まもなく完成する試作車3両は検測車として活用することなどを検討していくという。 全 2 枚 拡大写真

JR北海道は9月10日、次世代の特急車両として開発を進めてきたキハ285系特急形気動車について、開発を中止すると発表した。川崎重工業兵庫工場で製作中の試作車は、検測車など別の用途で使うことを検討する。

JR北海道によると、同社は高速化による所要時間の短縮などを目指し、新型特急車両の開発に取り組んできた。しかし、車両トラブルなどが相次いでいることから、安全対策と北海道新幹線の開業準備に人や時間、資金などを優先的に投入する必要があると判断。新型特急車両は「(現状においては)コストとメンテナンスの両面から過大な仕様」などとして、開発を中止することにした。

当面は従来形式のなかで最新型車両となるキハ261系特急形気動車の製作を継続し、老朽化した特急形気動車の置換えに充てる。従来形式による車両形式の統一で予備車の共通化が図られ、全体の車両数を抑制できるほか、機器の共通化によるメンテナンス性の向上も図れるという。

キハ285系は、複合車体傾斜システムとモーター・アシスト(MA)のハイブリッド駆動システムの採用により、スピードアップと省エネルギー化を両立させる車両として開発が進められてきた。9月末には試作車3両が完成する予定。この3両についてJR北海道は「軌道および電気設備を検査する在来線用総合検測車として使用することを含めて具体的な活用方法を検討していきます」としている。

《草町義和》

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