【WEC 第5戦】富士スピードウェイ、肝心なのは最終の上りセクション

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トヨタ『86』
トヨタ『86』 全 9 枚 拡大写真

10日から開幕しているFIA世界耐久選手権(WEC)の第5戦「6Hours of Fuji」。公式予選を前にメディア関係者を対象とした同乗走行「Media Hot Laps」が行われた。

各国の自動車メーカーがワークス参戦しているWECで、毎回メディア、VIP向けに行われているもので、今回はアウディ『R8』、トヨタ、ポルシェ、アストンマーティンの市販車が登場。それぞれのメーカーを代表するドライバーが参加し、その助手席で富士スピードウェイを体感できる。

今回、レスポンスはトヨタ『86』の同乗走行に参加。ドライバーはSUPER GTやニュルブルクリンク24時間で活躍中の脇阪寿一選手。ここ富士で何度もレースをしている同選手にコースの攻略法を聞いた。

富士スピードウェイといえば、世界でも最長クラスと言われる1.475kmのメインストレートが特徴として挙げられストレートスピードやエンジンパワーなども重要になってくる。だが、ドライビングという点でいくと一番肝心なのは細かなコーナーが続く最終セクターだという。

「ストレートだけで見るとマシン次第という部分が強い。そこでのスピードをさらに伸ばすためには最終セクターをどれだけ速く立ち上がってくるかが重要です。それは予選の1周計測であっても決勝のロングランであっても考え方は一緒。この他にもブレーキングでの鋭さも重要になってくるので、ストレートだけでは速く走れません」(脇阪選手)。

さらに「ストレートスピードを意識してコース前半部分にマシンを合わせ込むと、後半のテクニカルな部分では扱いづらいマシンになってしまうから、いつも後半寄りに合わせていきますね」と語った。

2005年の全面改修でテクニカルなコーナーが増え、ストレートスピードだけでなくコーナーでの旋回性なども含めた総合力が試されるのが今の富士スピードウェイ。普段、コースサイドやテレビでの観戦では気づかない難しさ、奥深さを感じることが出来た。

これらを踏まえ、脇阪選手は富士スピードウェイで走りこんでいるドライバーの方が有利になるのではないかと予想してくれた。「最終セクターに関しては、特に初めて走るドライバーや、WECだけのために1年に1回しか来ないドライバーは、どう走って良いか最初は分からなくなると思います。その点、富士を経験している(走り込んでいる)ドライバーの方が有利だと思います」。

そう考えると、富士のアウディのロイック・デュバル、アンドレ・ロッテラーは今年もスーパーフォーミュラに参戦中。彼らにとって富士は勝手を知り尽くしたコースといえるだろう。2号車に乗るブノワ・トレルイエも日本でのレース経験が豊富。この利点を生かして優勝を飾りたいところ。またトヨタ勢も中嶋一貴がSUPER GTとスーパーフォーミュラに参戦中。またアレックス・ブルツやアンソニー・デビッドソンもF1でのレース経験があるため、有利に働くだろう。

ドライバーの差が出やすいと言われる最終セクター。実際に自由席エリアから観戦することも可能で、目の前で観るとマシンやドライバーによって走り方の違いなども分かり、また別の角度からWECを楽しむことができる。第5戦「6Hours of Fuji」決勝レースは12日11時00分にスタートする。

《吉田 知弘》

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