COTY獲得 マツダ デミオ、歴代燃費を3万回の給油記録からたどる

自動車 ニューモデル 新型車
歴代デミオ実用燃費とカタログ燃費達成率
歴代デミオ実用燃費とカタログ燃費達成率 全 4 枚 拡大写真

日本カーオブザイヤー 2014-15の栄冠に輝いたマツダのコンパクトカー『デミオ』。4代目となる現行型は初搭載1.5リットルのクリーンディーゼルを初めとする新型パワートレーンがもたらす走りや、ブランドの個性を表現した“魂動”デザイン、そして優れたパッケージングなど、国産コンパクトカーの標準を塗り替える存在として高い評価を得ている。

デミオは1996年以来、1.3リットルまたは1.5リットルのエンジンを採用してきたが、売れ筋となってきた歴代1.3ットルエンジン車の前輪駆動(FF)・AT(CVT)モデルについて、愛車燃費&メインテナンス管理サービス「e燃費」の実用燃費データベースをもとに、その燃費向上の歴史を振り返ってみたい。

e燃費のサービス開始は2000年。以来、歴代デミオの給油記録はMT車を含めると4万回を超える。うち今回の集計対象となるFF/AT車の燃費投稿は3万473回だ。これらの膨大な給油記録から、歴代モデルの実用燃費を調べてみた。実用燃費の算出に当たっては、95%信頼区間(※)のデータのみを対象とし、統計的な信頼性を確保した。

e燃費には、1.3リットルのATが3段だった初代前期モデルについてのデータはないが、4ATを採用された後期モデルについては、3300回あまりの燃費投稿がある。このモデルはカタログ(10・15モード。以下同じ)燃費16.0km/リットルに対して実用燃費は12.1km/リットル。現在なら2リットルの自然吸気クラスでも同等の燃費を実現しているが、この時代にあってはこの実用燃費がコンパクトカークラスの標準といえた。

2002年に登場した2代目は、e燃費での給油投稿回数は7147回。カタログ燃費16.2km/リットルに対して実用燃費は12.9km/リットルと、カタログ燃費達成率は80%に迫る数値。

さらに2007年に登場した3代目は同じ1.3リットルエンジン搭載車でもミラーサイクルエンジン搭載でCVTと組み合わされた「13C-V」と、通常エンジン車に4ATが組み合わされる「13F/C/S」の2種のパワートレーンが設定された。いずれも車体の大幅な軽量化と空力特性の改善によって、カタログ燃費は23.0km/リットルと21.0km/リットルに大幅向上。実用燃費も大幅に向上しており、13C-Vは15.3km/リットル(給油投稿回数8103回)、13F/C/Sは14.9km/リットル(給油投稿回数は5448回)となっている。

3代目の後期モデルが登場した2011年には新世代直噴ガソリンエンジンのSKYACTIV-Gが搭載された「13-SKYACTIV」が登場。アイドリングストップ機構とCVTを組み合わせ、10・15モード燃費30km/リットル(JC08モード燃費25km/リットル)の大台を達成。本モデルの燃費投稿回数は6468回、実用燃費は17.0kmとSKYACTIVの名にふさわしい好燃費を数字で証明している。初代モデル(後期)から3代目の13-SKYACTIVまでの燃費向上幅は40%。ただし、10・15モードのカタログ燃費達成率については低下傾向にあり、13-SKYACTIVでは56.7%にとどまっている。

4代目デミオの話題は1.5リットル新世代クリーンディーゼルの搭載が話題だが、販売の主力を占めるのは1.3リットルのガソリンになると思われる。エンジンは先代の改良版だがこちらはSKYACTIV-DRIVEと呼ばれる6ATと新たに組み合わされカタログ燃費はJC08モードで26.4km/リットルを達成しており、3代目13-SKYACTIVを上回る。実用燃費の改善は、パワートレーンの改良だけでなくi-DMに代表されるドライバーの運転改善を促す仕組みの存在も重要だ。大きく進化を遂げた4代目デミオがどこまで実用燃費を伸ばしてくるか、注目したいところだ。

e燃費はスマートフォンアプリおよびWebで燃費計測・愛車管理・ガソリン価格提供などを行うサービス。2000年春のサービス開始以来、現在の会員数は62万人超に達し、累計ガソリン給油投稿回数は1100万回を超えている。今年7月にはiOS/Android向けスマートフォンアプリをver.2.0にアップデートし、オドメーター撮影画像の投稿で総走行距離の入力、画像ライブラリからの燃費投稿およびガソリンスタンド看板価格投稿などが可能になった。この秋にもアプリのバージョンアップを予定しており、操作性の改善や新機能を追加などを実施する予定。

(※)95%信頼区間:100回の標本調査のうち95回はこの範囲に母平均があるという意味。たとえば100回のランダムサンプリングを行い、そのつど母平均の95%信頼区間を計算した場合、100個のうち95個は母平均を含んでいるということになる。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  2. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る