フォード マスタング 新型…アメリカ ビッグ3 変革の年を経て、来春日本へ

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写真のクルマは19インチホイール装着車。日本仕様が黒いホイール履くか否かは不明だ
写真のクルマは19インチホイール装着車。日本仕様が黒いホイール履くか否かは不明だ 全 5 枚 拡大写真

10月1日に北米で発売が始まったばかりの新型フォード・マスタング。早くも日本でも発表され、来春発売されることが発表された。

予定では発売は2月から。限定で350台が第1陣としてやってくる。新型は、シャシー、エンジン、ボディのすべてを一新し、さらにプッシュボタンスターターや、パドルシフト付きの6AT、セレクタブルドライブモードと言った新機構も加わった完全に生まれ変わったモデル。しかも今年はマスタング誕生50周年ということで、日本仕様も「50イヤーズエディション」という、内外装に50周年記念エンブレムを配するモデルだ。具体的にはシートに50周年のロゴが入るなど記念車としての装いを持つが、北米で発売される50周年記念車とはグリルなどのデザインが異なる。

なお、搭載されるエンジンは新たに開発された2.3リットル直4エコブーストエンジンで、現在のところこのエンジンを搭載するフォード車はマスタングだけである。さらに日本仕様では北米仕様とは異なり、サイドミラーが折りたたみ式となりウィンカーも内蔵されるタイプに変わる。そして、パフォーマンスパッケージと呼ばれる、スポーツチューンされた足回りを持つ仕様とされているのも、日本仕様の特徴。タイヤは19インチがチョイスされた。因みに左ハンドル仕様。お値段は465万円だ。

そして2015年後半には、V8を搭載したGTとコンバーチブルも導入される。しかもこの時点で日本仕様のマスタングはすべて右ハンドル仕様に切り替わり、左ハンドルの設定はなくなる。因みに導入予定は10月だが、右ハンドル仕様のテストはまだ始まったばかり。多少前後することも考えられる。

ところで、今年のアメリカ自動車業界は変革の年である。それほど大きな動きがあった。それはかつてのビッグ3、今はデトロイト3などと呼ばれるアメリカの3つに自動車メーカーにかつてないほどの変革が起きたことだ。

GMでは1月から新たな業界初の女性CEO、メアリー・バーラが誕生。クライスラーは会社自体が新たなFCAとして去る10月12日に誕生したばかり。そしてフォードはといえば、7月から新しいCEO、マーク・フィールズが指揮を執る。つまり、すべてのメーカーが社長が変わるか組織が変わったのだ。こんな年にマスタングは生まれ変わった。そしてその変革は、世界120か国に販売をするグローバルカーへの変身である。これまで、アメリカの多くのモデルはアメリカ国内専用モデルとして開発されてきた経緯がある。しかし、フォードはここ数年でワン・フォードのフレーズの元、世界中に散らばるリソースを集約し、グローバルカーの構築に努めてきた。結果、アメリカン・アイコンたるマスタングもついにグローバルカーとして生まれ変わったのだ。

現在北米市場で販売されているモデルのうち、純粋に北米市場専用モデルとして作られているのは、フルサイズのトラック、SUV、それに昔から存在しているバンの3種のみ。この3種のカテゴリーは日本で言えば軽自動車のような存在で、アメリカでは一つの文化を創造している。このうちバンについてはすでにグローバル化が進み、いずれグローバルモデルに取って代わられる。そしてSUVだが、これも徐々にグローバル化の波にさらされているのだが、ベースがフルサイズトラックである以上、これがグローバル化されるとは思えない。というわけで今後もごく一部の車種を除き、フォードのみならずアメリカのモデルはグローバル化の一途をたどるだろう。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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