無限、電動バイク「神電 参」を発表…バッテリー改良がもたらすマシンの進化

モーターサイクル 企業動向
無限(M-TEC)神電 参(ライダー 和歌山利宏)
無限(M-TEC)神電 参(ライダー 和歌山利宏) 全 16 枚 拡大写真

無限(M-TEC)は10月23日、TEAM無限の2014年マン島TTレースの参戦車両で、電動バイクレーサーの『神電 参』を公開した。

神電 参は、無限(M-TEC)が開発したレース専用の電動バイク。車両開発にあたってはホンダのバイクがベースなのではなく、ゼロからのチャレンジであったと、同社の勝間田聡取締役はいう。

「神電は完全にオリジナルのバイクと言っても良い。設計からデザイン、開発までを自社で完結した」(勝間田取締役)。

神電 参のフォルムは、現代のレースマシンを彷彿とさせるスタイル。勝間田取締役はデザインについて「スタッフがmotoGPやその他のレースマシンを研究し、自分たちのテストから生み出されたもの。既存のデザインやパーツなどは使用しておらず、自然にこの形状となった」と述べた。

神電 参のデザインは、ライダーへの風の抵抗を軽減するとともに、最高速度向上にも寄与。TEAM無限のマン島TTレースのライダーによれば、新カウルの影響は「従来よりも肩にかかる抵抗が軽減した」とのことだ。

M-TECのマン島TTレースへの参戦は2011年に始まり、マシンは年ごとに改良を重ねて現在の“参”に至る。旧型マシンとの違いについて、チーム無限の宮田明広監督は「一番はバッテリー容量の変化だ。『神電 弐』(2013年マン島TTレース参戦車両)と比べ容量を20%向上している」と話す。

続けてその効果を「容量が増加することで、モーターへ供給する電力も増える。これまでの神電は、モーター出力は90kWだが、実際にはフルパワー状態では1周60のコースを走りきれず、パワーダウン状態でのレースを余儀なくされた。しかし、参でのバッテリー改良のおかげで、モーター本来の出力で出走することができた。ちなみにモーター自身も新型を採用している」(宮田監督)と説明した。

パワーユニットと新型のカウルによる効果は、2014年のマン島TTレースで目標平均速度115mphを上回り、117mphを記録。レース結果はTEAM無限の1-2フィニッシュであった。

《阿部哲也》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る