JFEスチール、高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板を開発…自動車骨格部品向け

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JFEスチール、「高伸び-伸びフランジ型高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板」を開発
JFEスチール、「高伸び-伸びフランジ型高張力合金化溶融亜鉛めっき鋼板」を開発 全 3 枚 拡大写真

JFEスチールは、自動車の骨格部品用に、伸び特性に加えて伸びフランジ成形性にも優れた590~980MPa級の高伸び-伸びフランジ型高張力合金化溶融亜鉛めっき(ハイテンGA)鋼板の開発に世界で初めて成功した。

骨格部品には、複雑な形状を持ち、伸びだけでなく高い伸びフランジ成形性を必要とするため、高強度鋼板の適用が進展しにくい部品がある。

強度と伸び特性を両立させるため、硬度差のある複数の金属組織を鋼板の中に共存させる方法が採用されてきた。しかし、鋼板をプレス用ブランク素材に打抜く工程で、金属組織の硬度差が原因となって成形時に鋼板端面内部において割れの起点となるボイドが発生しやすくなる。

同社は今回、独自の熱処理により金属組織それぞれの硬度や体積などを精緻にコントロールする組織制御技術を開発した。この技術の適用で、打抜き工程でのボイドの発生が抑制され、高い伸びを維持しながら伸びフランジ成形性を向上する。590~980MPa級ハイテンGA鋼板の製造が世界で初めて可能となった。

今回開発した鋼板は、同社従来鋼に比べて約2倍の穴広げ率を持つ。これにより、自動車骨格部品の形状自由度が広がり、深い絞り形状のピラーロアなど、車体骨格部品について、強度の高いハイテンGAを積極的に適用することが可能となり、自動車の軽量化(薄肉化)に大きく寄与する。

同社では、開発した鋼板の適用拡大を目指すとともに、今後も、高性能な高張力鋼板の開発に注力する方針だ。

《レスポンス編集部》

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