アルカイーダ「石油供給ルートを標的」と声明…豪州にも緊張走る

エマージング・マーケット 中東・アフリカ

西側への供給ルート攻撃を呼びかけ

 イスラム過激派のアルカイーダが発行している英語雑誌「Resurgence(復活)」で、グループは「聖戦士」に対して、西側経済の弱点を標的にすること、特に石油供給ルートのような代替物のない部分を見つけ攻撃するよう呼びかけていると報道された。

 ABCテレビの時事番組に出演したジョン・ブラックバーン元空軍少将は、「実質的な脅威だ。テロリストが本気で西側諸国を混乱に陥れたければ、経済の血液ともいえる石油燃料供給ルートを攻撃するというのは誰が考えても明らかなことだ。世界の様相がすっかり変わってしまったことを意味している。これまでの石油供給ルートがそのまま機能すると考えるのが大間違いだ」と語っている。

 特にオーストラリアは過去10年間で国内生産量も精油能力も極端に下がっており、海外の石油供給ルートに依存することが多くなっている。国内消費量の90%以上が輸入石油だ」と語っている。また、その半分以上が中東産で、タンカーはシンガポールのホームズ海峡、マラッカ海峡を経由してやってくるがその水域は海賊が多いことでも知られている。

 ブラックバーン空軍少将は、「石油供給が少しでも妨害されるようなことがあれば影響は破滅的になりかねない。我が国はディーゼル油が一部地域で12日分の備蓄、その他の石油製品は1週間程度しかないものもある。シドニーの1週間の食糧供給だけでも延べでトラック45,000回の輸送になる。3日か4日で商店の食料が底をつき始める。スーパーマーケットでも1週間分程度の在庫しかないし、冷凍食品だともっと少ない。薬局でも3日から4日で在庫がなくなり始める。1週間か2週間、燃料が出回らなければ企業は休業し始めるし、一部の事業所は回復不能になる。電力、水道その他の公共サービスも石油がなければ機能しなくなる。次第に社会機能が麻痺し始めるのが分かるってくる」と語っている。

 2015年までには国内の石油精製所の半分が閉鎖する。石油企業は、「海外の巨大な精油所を相手には国内精油所は太刀打ちできない。海外で精製してオーストラリアに運んでくる方がはるかに安く上がる」と語っている」と語っている。しかし、政府は、イアン・マクファーラン産業相が、「我が国には原油精油がいくつもの路線を選んでくる。燃料供給ルートが破断されるなどはほとんど可能性がないが、もしあった場合でも優先供給体制を敷いて重要な分野への供給を確保する」と語っている。(NP)
http://www.abc.net.au/news/2014-11-04/al-qaeda-threatens-to-target-australias-overseas-oil-supplies/5866510

アルカイーダが石油戦略を武器に

《Nichigo Press》

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