JR貨物、新型機の運転シミュレーターを導入…EF65シミュレーターは引退

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JR貨物は新型の運転シミュレーターを2台導入。写真はEF210形のモックアップを使ったシミュレーターで、運転室のほか機器室の一部が再現されている。
JR貨物は新型の運転シミュレーターを2台導入。写真はEF210形のモックアップを使ったシミュレーターで、運転室のほか機器室の一部が再現されている。 全 6 枚 拡大写真

JR貨物は11月12日、中央研修センター(東京都品川区)に「新形式機関車シミュレータ」と「ブレーキシステム教材」を設置したと発表した。

中央研修センターはJR貨物の運転士養成・訓練施設。国土交通大臣から動力車操縦者養成所の指定を受けている。国鉄時代から使用してきた機関車3両を運転シミュレーターとして設置していたが、同社発足以降に導入した新型機関車の割合が増えていることから、10月に新型機関車のモックアップを用いた「新形式機関車シミュレータ」を2台設置した。

新しい運転シミュレーターは、EF210形直流電気機関車とEH500形交直流電気機関車のモックアップを使用。運転室と機械室の一部を再現し、運転室には実際の機関車と同じ運転機器を、機械室には電気回路の保護機器などを配置した。運転席モックアップの前方には液晶モニターを設置し、運転機器の操作に連動して線路やその周辺のコンピューターグラフィックを映し出す。運転室と機械室の機器も一部連動しており、故障時の応急処置などの訓練ができるようになっている。

これに伴い、国鉄機関車を用いたシミュレーター3両のうちEF65形直流電気機関車のシミュレーターを撤去。中央検修センターの運転シミュレーターはEF210形・EH500形・EF81形・DE10形の4タイプになった。

新型機関車のブレーキ機構の理解促進を目的とした「ブレーキシステム教材」も設置。運転機器を取り付けた簡易運転台の機器を操作すると、ブレーキシステム内部の作動状況を液晶モニターで確認することができる。実物の台車に取り付けたブレーキ装置を作動させることもできる。

このほか、線路や信号、標識のパーツを自由に組み合わせることで、実際に発生した事故やあらかじめ想定した事故の現場を再現し、運転シミュレーター前面の液晶モニターに描写する「事故発生線路再現ソフトウェア」も開発した。支社ごとに導入する「運転士異常時対応訓練シミュレータ」の整備にあわせ、各支社の運転士の訓練に活用する。

JR貨物は新型シミュレーターの導入などにより「教育・訓練を充実させ、貨物列車の運行に関して、安全・安定輸送の向上に努めてまいります」としている。

《草町義和》

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