国立天文台、天文学専用スーパーコンピュータ「アテルイ」の計算速度を2倍に

宇宙 テクノロジー
新しいアテルイの外観、筐体数が6に減りコンパクトになった(出典:国立天文台)
新しいアテルイの外観、筐体数が6に減りコンパクトになった(出典:国立天文台) 全 1 枚 拡大写真

国立天文台天文は、数値計算専用スーパーコンピュータCray XC30システム「アテルイ」をアップグレードし、このほど共同利用運用を開始した。

今回のアップグレードでは、最新のCPUに交換した。同時に筐体は8から6へと減らし、これに伴ってCPU同士をつなぐインターコネクト6のつなぎ替えを行った。筐体の数は減らしながらも、最新のCPUを搭載することで理論演算性能がこれまでの502Tflopsから約2倍の1.058Pflopsに向上した。これは1秒間に約1千兆回の足し算や掛け算のような計算をする能力をもつことを意味する。

この性能は天文学専用スーパーコンピュータとして世界最速で、「アテルイ」は国立天文台が運用するスーパーコンピュータで初めてペタフロップスマシンへと進化した。

新システムは既に127人の共同利用研究者が利用した。利用者は、国立天文台の天文学者、日本全国の大学・研究機関に所属する研究者や、天文学を専攻する大学院生、海外にいる日本人研究者など。

国内外から「アテルイ」に接続して計算している。現在行われている計算は、惑星の形成、星の誕生や死、太陽活動の解明、ブラックホールの進化、銀河や銀河団の形成、宇宙の構造の進化など。新しい「アテルイ」は、超新星爆発や中性子星合体のような複雑な物理現象に対して、より現実的な仮定の計算が可能となる。加えて物理現象を計算する時間ステップを細かくすることで、より正確で詳細な天体現象の時間変化を捉えることにつながる。

新しい「アテルイ」では、これまでよりも星のような粒子や、星間ガス、プラズマのような流体の運動を、より正確に追うことができるほか、空間解像度を上げることで、天体や宇宙の構造をより細かく解明できる。

《レスポンス編集部》

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