23日にツインリンクもてぎで行われた「Honda Racing THANKS DAY」で、往年のマクラーレン・ホンダのF1マシン2台が迫力あるデモ走行を披露した。
今回登場したマシンは2台、1988年に16戦中15勝を挙げたマクラーレン・ホンダ『MP4/4』。ドライバーはインディカー・シリーズに参戦中の佐藤琢磨。実は10月に行われたF1日本GPの決勝前に同マシンをデモ走行する予定だったが悪天候の為に中止。「今日は最高の天気なので、早く走りたい。楽しみ。」と乗り込む前から笑顔が絶えなかった。もう1台は1991年にドライバーとコンストラクター両部門でタイトルを獲得したマクラーレン・ホンダ『MP4/6』ドライバーは国内レースで活躍する塚越広大が昨年のサンクスデーに引き続き乗り込んだ。
晴天のツインリンクもてぎには、往年のマシンの走りを観ようとグランドスタンド前に特設されたビクトリースタンドは満員。またピットガレージの一般観覧エリアは溢れそうなほど多くのファンで埋め尽くされた。
そしてエンジンに火が入り、まずは琢磨からスタート。現在と同じターボエンジンだが、今とは全く異なるサウンドを響かせコースイン。続いて塚越は、当時から独特だった甲高いホンダV12サウンドを響かせ加速していった。2台とも現在を退いて20年以上経つが、今でも当時と変わらない迫力ある走りを披露。詰めかけたファンを魅了していた。
デモ走行を終えた琢磨は「最高の気分、現役を退いて20年以上経つマシンなのに、こんなに完璧な状態を保ってくれているスタッフに感謝したい」と満面の笑み。塚越も「興奮して足がまだ震えています。マシンのことを考えると本当は抑え気味で走らなくてはいけないんですが、ついつい(アクセルを)踏み込んでしまいますね」とファンにとっては嬉しい本音をもらしていた。
また、当初はプログラムに書かれていなかったがフィナーレ前にも2台が再びファンの前に登場しデモ走行を披露。当時も激戦だったF1の世界で頂点に立った2台のマシンが、当時と変わらない“ホンダサウンド”を響かせた。
そして、来年からいよいよ第4期のF1挑戦がスタート。今回走ったのと同じマクラーレン・ホンダのパッケージが復活。どんな活躍を見せてくれるのか、非常に楽しみだ。