ルネサス、車載情報機器向けに16nm FinFETを用いたSRAMを開発

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ルネサス エレクトロニクス(webサイト)
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ルネサスエレクトロニクスは12月16日、16nm世代プロセス以降の車載情報機器用SoC(システムLSI)向けに新しい回路技術を開発したと発表した。

近年、カーナビや先端運転支援システムなど、車載情報機器は大きく進化。中枢部品の一つであるCPUやリアルタイム画像処理における低電圧下での高速動作など、性能向上への要求は高まり、従来のプレーナー型MOSFETでの対応は限界があると言われていた。

そのため、フィン構造を導入した新しいFinFETで消費電力の抑制と性能向上を図る動きが出てきていたが、回路定数の最適化を行うことが困難であり、新たな設計回路技術の開発が課題となっていた。

同社は今回、FinFET用に低電圧でも安定して高速読出し・書込み動作が可能となる、新しい回路技術を開発。SoCに搭載されるCPUやリアルタイム画像処理ブロックのキャッシュメモリとして、この回路技術を採用したSRAMを16nmプロセスで試作し、0.7Vの低電圧条件にて、641ピコ秒(ピコ:1兆分の1)の高速動作を確認した。

新技術は低電圧下において高速読出し・書込みを両立するワード線オーバードライブ方式の回路技術(アシスト回路)を導入。読出し時と書込み時の動作マージンを確保しつつ、高速な読出し動作を実現した。また、FinFET固有のばらつきを考慮した高信頼・最適設計を実現した。

同社が開発したアシスト回路技術は、今後プロセスの微細化が進むにつれて困難になると予想される速度と安定動作の両立を実現。将来の先進運転支援システムや自動運転に求められるリアルタイム画像処理の性能向上に、貢献する。

《成瀬雄太@DAYS》

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