鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)とJR九州はこのほど、両者が九州新幹線などで実施している軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の耐久走行試験を一時休止すると発表した。
フリーゲージトレインは車輪の幅を変化させることによって、2本のレール幅(軌間)が異なる鉄道線路を直通できる車両。日本では新幹線(1435mm軌間)と在来線(1067mm軌間)の直通列車用として研究が進められている。
鉄道・運輸機構とJR九州によると、今年4月20日から第3次試験車両による走行試験を開始。10月19日からは新幹線・軌間変換・在来線を繰り返し走行する「3モード耐久走行試験」を行ってきた。
しかし、約400回の軌間変換と約3万kmの走行を実施した時点で一部の台車を調べたところ、車輪を円滑に移動させるためのオイルシールが部分的に欠けていた。これを受けて両者は部品点検のための詳細な調査を実施するため、走行試験を見合わせることにした。
調査は1カ月程度かかる見込み。調査結果や走行試験の再開時期などは改めて発表するとしている。