幕張メッセで開催された東京オートサロン2015。イベント最終日のトヨタブースに、日産『GT-R』の開発責任者である田村宏志氏がサプライズ出演、ドイツ・ニュルブルクリンクにおける記録競争で、トヨタに挑戦状を突きつけた。
「モータースポーツとスポーツカー開発」と題したトークイベントに出演した田村氏は、レーシングドライバーの飯田章氏とともにステージに登壇、ドイツ・ニュルブルクリンクにおけるテストの話の中で、GT-Rの記録更新をトヨタに呼びかけた。
ニュルにおけるトヨタと日産の記録は、トヨタは2011年8月31日にレクサス『LFA Nurburgring Package』で飯田氏のドライブにより7分14秒64を記録、一方、日産は2013年9月30日に2014年式『GT-R NISMO N Attack Package』でミハエル・クルム氏が7分8秒679を記録し、トヨタの記録を破っている。
ニュルへの挑戦を振り返る話の中、GT-Rが挑戦する3週間前、2013年9月4日にポルシェ『918スパイダー』が6分57秒(マルク・リーブ)を記録、市販車最速の座をポルシェに奪われたことを悔しがる田村氏、「トヨタさんが7分8秒、切りますって言ってくれないと、次にいけない。トムとジェリーじゃないですけど、仲良く切磋琢磨したい」と、トヨタの挑戦を呼びかけた。
田村氏の挑戦を受けて、飯田章氏は「車がないですよ。車をなんとかしないと」と、会場にいるトヨタ関係者に向けて、挑戦のためのマシンをリクエストして会場を盛り上げた。
また、ニュルに挑戦することについて、田村氏「いい車をある程度作れて、かつ、ドライバーが楽しいと思って乗って(アクセルを)踏んでくれると、タイムはきっと揃う。このドライバーは速くて、このドライバーは遅いというのは私の思想ではなく、ピンポイント設計はしたくない。」と、開発の狙いを示した。
さらに、田村氏「(開発)ドライバー4人のタイムが揃うという思想でやることで、究極のドライビングプレジャーの追求につながり、すなわちR35 GT-Rのコンセプト」と明かした。