【フォード マスタング 試乗】4気筒でも豪快なアメリカン・スペシャリティー…松下宏

試乗記 輸入車
フォード マスタング
フォード マスタング 全 13 枚 拡大写真

アメリカを代表するスペシャリティカーの『マスタング』がフルモデルチェンジを受けた。日本仕様車は2015年中盤から輸入が始まるが、それまで待てないというユーザー向けに、50周年記念特別限定車が販売されることになった。

【画像全13枚】

限定車はファストバックのボディに、直列4気筒2.3リットルの直噴ターボ仕様エンジンを搭載した左ハンドル車のみの設定。日本で左ハンドルというのは決して良いことではないが、マスタングのようなクルマでは左ハンドルであることに価値を見いだす人も多いだろう。

2015年中盤に導入される日本仕様車は、ボディがファストバックとコンバーチブルがあり、エンジンもV型8気筒5.0リットルと直列4気筒2.3リットルが搭載され、右ハンドル車のみの設定になるから、今回の限定車はかなり絞った設定のモデルである。

外観デザインはマスタングのアイデンティティーをしっかり受け継いだもので、随所にマスタングのDNAを示すアイコンが採用されている。インテリアはスポーツカーらしいコクピット空間が作られていて、インパネにはトグルスイッチが設定されるとともに、「マイ・フォード・タッチ」も採用されている。

マスタングなのに直列4気筒では物足りないと考える人がいるかもしれない。でもこのエンジンはマスタングに搭載するのにふさわしい実力を持つ。動力性能の数値は231kW/434N・mの実力だから、V型8気筒4.4リットル級のエンジンに匹敵する性能である。

トランスミッションはフォードがセレクトシフトと呼ぶパドルシフト付きの電子制御6速ATが組み合わされた。最新のATらしいダイレクト感のある俊敏な変速フィールを示すATだ。

試乗日はウェット路面だったこともあって、スタンディングの状態からラフにアクセルを開けたら、リヤが横滑りしてじゃじゃ馬的な挙動を示した。2.3リットルの直噴ターボ仕様エンジンの実力が並大抵のものではないことを示している。

今回の試乗では箱根ターンパイクを中心に走らせたが、急な登り坂もぐいぐい上っていく力強さを示した。正にアメリカン・スペシャリティーらしい豪快な走りが楽しめるクルマである。

この2.3リットルエンジンはロングストローク型だが、その割には吹き上がりは滑らかかつ軽快感があり、気持ち良い加速感が味わえる。良く回るし、高回転域まで回したときのパワー感も上々だった。

新開発された足回りは、前輪がマクファーソン・ストラット式、後輪がマルチリンク式の4輪独立懸架になった。独立懸架は走りのパフォーマンスの向上とライドコンフォートの向上にはっきりと貢献している。乗り心地はスポーティカーらしく相当に硬めではあるものの、一定の快適性を備えたものとされていた。

ホイールベースの長さやトレッドの広さなどが安定感のある乗り味に貢献している部分があるだろう。

走行モードを選択するセレクタブル・ドライビング・モードが設定されていて、インパネのトグルスイッチで4種類のモードが選択できる。これによってエンジンの吹き上がりやトランスミッションの変速タイミングなどが変わる仕組みだ。またステアリングも3種類の手ごたえが選択可能だ。

ノーマルとスポーツを切り替えるだけで十分にメリハリの利いた走りが味わえた。その日の気分や道路状況、交通状況に応じて切り替えて走ったら良い。

マスタング50周年記念特別限定車の価格は465万円。早い段階で新型マスタングを手に入れたいというユーザーや、左ハンドルのマスタングに乗りたいというユーザーには絶好の存在だろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:(左ハンドル車は勧めない)

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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