流行周期に突入…オーストラリア南東部で「百日咳」患者増

エマージング・マーケット オセアニア

免疫の短さから数年ごとに流行の波

 夏休みが終わり、学童の登校が始まると、感染症の蔓延がみられる。1月22日には、NSW、VIC両州とACTで百日咳の流行が警告されている。

 百日咳の死亡率は1%から2%程度で、先進国では予防接種の結果、発生数は少ないが、免疫は4年から12年と減衰していく。その間に感染すれば再び免疫がつくが発生数が減っているため、追加免疫がつかず、そのため、3年ないし5年の周期で流行するとされている。

 NSW州では2014年4月から12月にかけて流行し、VIC州とACTでも患者数が増えた。前回の流行は2010年から11年にかけてで、今回はまだそれを下回っているが、これから大流行するのではないかと懸念されている。ウエストミード小児病院のニコラス・ウッド医師は、「3年か4年前に大流行があった。3年から4年の周期で大流行することが知られているので今回も心配だ」と語っている。

 NSW州保健局のビッキー・シェピアド局長は、「2014年中期には月140人程度の発生数だったが、今は月500人程度になっている。前回の大流行では月2,000人程度の発生数になった。児童は4歳で追加免疫を受け、12歳でまた受けることになっている。そのため、百日咳に感染してもほとんど症状が出ないことも多く、また他の病気と間違えられることも多い。

 シェピアド局長は、「幼児が感染すると重くなるため、かかったと思えば幼児にうつさないことを考えて欲しい」と呼びかけている。

■ソース

Whooping cough outbreak may be imminent, cases rising in NSW, Victoria and ACT, doctors warn

南東部諸州で百日咳流行の危険警告

《Nichigo Press》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  2. シボレー『コルベット』がニュルブルクリンクで「米国メーカー最速ラップ」樹立
  3. 「強烈な需要がありそう」スバルの3列シートSUV『アセント』が今、SNSで話題に
  4. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  5. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  6. 「泥が似合うグレードを!」三菱『パジェロ』がPHEVで復活!? スクープ情報にSNS沸く
  7. 2.5Lエンジンを搭載する『インプレッサ』登場、米2026年モデルに「RS」
  8. アプリリア、“鈴鹿未体験”のオールイタリアンチームで3年ぶりの8耐表彰台
  9. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  10. 軽EV市場に新顔登場、ホンダ『N-ONE e:』と競合する車種
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る