【ロールスロイス レイス 試乗】自由に運転することができるという贅沢…諸星陽一

試乗記 輸入車
ロールスロイス レイス
ロールスロイス レイス 全 6 枚 拡大写真

ロールス・ロイスといえば、高級車の代名詞で、運転手付きで後席に乗るクルマという印象が強いと思う。実際、少し前、ロールス・ロイスとベントレーが兄弟関係だったころは、ロールス・ロイスがショーファードリブン、ベントレーがドライバーズカーという棲み分けが行われていた。

そうしたイメージのなか生まれた『レイス』は、見事なまでの2ドアクーペのスタイルを持っていた。乗り込もうと思い、ドアを開けるとなんとドアは後ろヒンジ。このため乗降性はすこぶるいい…が、開いているドアが閉められない。あたふたしていると、担当者がやってきて「こちらで操作します」とAピラーに用意されているスイッチを指さす。このスイッチを押すと、ドアが閉まった。まったくなにもかも予想外である。

クルマを走らせると、こんなにも静かでこんなにも余裕のあるクルマが存在するものかと脱帽させられる。632馬力という大パワーを発生するが、そのパワーには余裕がついてまわる。チューニングカーのように、無理矢理引き出した600馬力オーバーではなく、6.6リットル・V12気筒という余裕だらけエンジンから引き出されるパワーなのだから。

さすがにコーナーを攻めたりという気分にはならない、なにしろ価格は3000万円を軽くオーバーする設定。ちょっとはビビッて運転しなくてはならない。しかし、よくよく考えれば、このクルマは自分で自由に運転するために生まれたクルマ。これを手に入れる人は、ゴーストのようなショーファードリブンを買う人より、ずっとずっと裕福な人なのだろうなあ…と痛感させられた。

ここまで高くなると評価には価格を考慮したものではなく、絶対値でやらせてもらった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「鈴鹿8耐」最注目のヤマハ車は完全新作の『YZF-R9』! 150万円を切るなら「ブレイクの予感」しかない
  2. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  3. もしも「タイプ992」が初代911をオマージュした世界線だったら…? ウクライナのデザイナーが再解釈
  4. 新世代MINI『クーパー』と『エースマン』に全身ブラックの「モノクローム」登場
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る