【レクサス RC 試乗】パワートレーンの設定はこれで良かったか…松下宏

試乗記 国産車
レクサスRC
レクサスRC 全 35 枚 拡大写真

レクサスからクーペモデルの『RC』が加わった。『SC』以来の久々のラグジュアリークーペであり、プレミアムブランドにとって必要なモデルである。

RCには「RC350」と「RC300h」の2モデルが基本として設定されている。RC350にはV型6気筒3.5リットルエンジンが、RC300hには直列4気筒2.5リットル+電気モーターのハイブリッドシステムが搭載されている。

この両モデルに試乗し、果たしてこのラインナップで良いのかと思った。RC350は走りのパフォーマンスは十分なものがあるが、環境性能とエコカー減税に全く届かないレベルである。せめてアイドリングストップ機構くらいは装着してほしい。

RC300hは燃費を中心に環境性能は素晴らしいが、クーペらしいスポーティな走りとなると何とも物足りない。なので、どちらもRC用のパワートレーンとして中途半端であるように思えた。

レクサスには『NX200t』に搭載した直列4気筒2.0リットルの直噴ターボ仕様エンジンがある。RC350とRC300hではなく、この2モデルに代えて「RC200t」だけにした方が良かったのではないか。200tなら走りと環境性能を高次元で両立させてバランスの良いクルマになる。

パワートレーンは何とも中途半端な印象だが、それ以外の部分は割と良くできている。外観デザインはラグジュアリーなスポーツモデルらしいカッコ良さを備えているし、『IS』をベースにしたインテリアもまずまずのクオリティを感じさせる。

クーペボディにレーザーウェルディングの溶接技術や構造接着剤が採用され、高いボディ剛性を得たことが安定した走りにつながった部分があり、ボディがしっかりしたクルマならではのドライブフィールが得られる。

中でも「Fスポーツ」の引き締まった走りは好感が持てる。可変ステアリングやLDHと呼ぶ後輪操舵(そうだ)の機構が加えられ、軽快なハンドリングを感じさせる。標準車に比べるとクルマが一段と思うように動く感じになり、ドライバーがクルマを操つる実感が高まる。

それだけに、RC200tの電子制御8速AT仕様があったなら、さぞかし良いクルマになっていただろうと思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  2. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
  3. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  4. ホンダ『CB1000F SE コンセプト』を世界初披露! カウルが付いてネオレトロ感アップ、MSショーからの変更点もチェック!
  5. 自動車購入の落とし穴! 公取協・公取委の警告から学ぶ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る