WWFによる温暖化対策ランキング、日産が1位に

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WWFジャパン 自然保護室 気象変動・エネルギーグループ プロジェクトリーダー池原庸介氏
WWFジャパン 自然保護室 気象変動・エネルギーグループ プロジェクトリーダー池原庸介氏 全 5 枚 拡大写真

2015年2月24日、環境保全団体であるWWFジャパンは「企業の温暖化対策ランキング」プロジェクトの第2弾となる「輸送用機器」業種への調査結果を発表した。対象となる日本企業28社のうち、第1位は日産自動車となった。2位は本田技研工業、3位が豊田合成、4位がトヨタ自動車と続く。

「このプロジェクトは、政府レベルでの温暖化対策が停滞している中、企業の取り組みを後押しするのが動機となっています」と、WWFジャパンの自然保護室気象変動・エネルギーグループ・プロジェクトリーダーである池原庸介氏は説明する。

WWFジャパンによる「企業の温暖化対策ランキング」プロジェクトとは、企業が毎年発表している環境報告書類(環境報告書やCSR報告書など)の内容を、WWFジャパンが用意した統一の評価基準でスコアリングしようというもの。物差しがひとつとなるため、各社バラバラの基準で発行する環境報告書類を、横一列で見比べることができるのが最大の特徴だ。比較可能となれば、熱心に報告を行う企業をクローズアップすることが可能となる。それをWWFジャパンは狙っているという。

WWFジャパンは、その第1弾として、昨年の夏に「電気機器」に属する50社を対象として調査を実施。今回は、それに続く第2弾としての発表だった。

今回、調査の対象となったのは「ジャパン500」(国連責任投資原則日本ネットワークが選定した500社)のうち、会社四季報の区分で「輸送用機器」業種に属する28社。それらの会社が、2014年に発行した環境報告書で公開された温暖化対策をもとに評価を行っている。

評価指標は、大きく「目標および実績(39項目)」、「情報開示(34項目)」の2つに分けられ、それぞれに50点が与えられ、合計100点満点となる。点数は重要度によって差がつけられており、特に重要7指標への配点は高い。その重要7指標は以下のものとなる。「長期的なビジョン」「削減量の単位」「省エネルギー目標」「再生可能エネルギー目標」「目標の難易度」「ライフサイクル全体での排出量把握・開示」「第3者による評価」だ。日産自動車と本田技研は、特に重要7指標の成績が良かったことが好成績の理由となった。

1位 日産自動車(87.5点)
2位 本田技研工業(70.4点)
3位 豊田合成(65.0点)
4位 トヨタ自動車(63.9点)
5位 マツダ(59.1点)
6位 スズキ(55.6点)
7位 東海理化(52.5点)
8位 デンソー(50.6点)
9位 NOK(49.3点)
10位 トヨタ紡織(47.8点)
11位 豊田自動織機(47.6点)
12位 KYB(47.1点)
13位 川崎重工業(46.5点)
14位 三菱自動車(45.0点)
15位 日野自動車(43.6点)
16位 IHI(43.1点)
17位 アイシン精機(41.4点)
18位 いすゞ自動車(40.9点)
19位 カルソニックカンセイ(39.8点)
20位 ヤマハ発動機(39.3点)
21位 エクセディ(36.8点)
22位 テイ・エス テック(36.6点)
23位 富士重工業(35.4点)
24位 三井造船(22.9点)
25位 シマノ(2.1点)

平均点:46.7点 

ランク外 ダイハツ工業/タカタ/日産車体(2014年に環境報告を行っていないため)

《鈴木ケンイチ》

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