【フォード マスタング 試乗】今度のマスタングはいろんな味が楽しめる…瀬在仁志

試乗記 輸入車
フォード マスタング 50イヤーズエディション
フォード マスタング 50イヤーズエディション 全 32 枚 拡大写真

今度の『マスタング』はいろんな味が楽しめる。新設計されて初めて採用された独立懸架式のリアサスペンションはロードホールディング性が高く、コーナリング性能が明らかにアップした。

特に高速域に入るほどジワッと路面を包み込む懐の深さを見せ、パワーをかけていった分だけ確実に速度を伸ばす正確性を身に着けた。それでいながらタイトターンなどで大胆に攻めていくと、リアがズルズルと出ていくような気配を見せて、安定した走りから従来通りちょっぴりユルーイ走りまで乗り味に幅が出た。

直進安定性に関しては従来通りステアリングに対する応答が大味で、大きなうねりや突起などがあっても進路はしっかりとキープ。従来通りステアリングは左右に大きく振れていてもまっすぐに突き進もうとする大らかさをもっている。乗り心地も同様にかためのタイヤがゴツゴツとした入力を見せるものの、大きな入力に関してしっかりと包み込む幅をもつ。

そしてエンジンは4気筒2.3リットルエコブーストによって軽快な吹け上がりとトルク感を両立。排気音のチューニングによって攻めていった時にはV8を思い起こさせるサウンドによって獰猛さも演出。

新世代のシャシーとエンジンを採用していながら、伝統的な乗り味と今風の乗り味を組み合わせていて乗り味が様々。ユルーイ走りからピリッとした切れ味まで幅広く、和洋折衷ならぬ米欧折衷的独特の走りが楽しめる。「一見の価値あり」の新世代マスタングと言える。この後に控えるV8やコンバーチブルがさらに楽しみだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★☆

瀬在仁志|モータージャーナリスト
1960年東京生まれ。AJAJ会員。日本COTY委員。高校時代からカート、自動車免許取得後、ラリー、レースに参戦。スーパー耐久自動車レースでは2 クラス、4クラスで優勝経験を持つ。88年にはA型フォードによるオーストラリア・クィーンズランド一周ラリーで3500kmを完走。03年にはニュルブルクリンク24時間レースに参戦、参加クラスで日本車最高位完走。世界20か国以上の公道とサーキットでの試乗経験を持ち、『ホリデーオート』、『モーターマガジン』誌等で活躍。代表会社であるアップライト社主催による走行会はすでに70回を数えドライビング講師としても活躍する。

《瀬在仁志》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る