【フォード マスタング 試乗】“またアメ車に乗りたい”と思わせる独自性…御掘直嗣

試乗記 輸入車
フォード マスタング 50イヤーズエディション
フォード マスタング 50イヤーズエディション 全 24 枚 拡大写真

フォード『マスタング』が1964年に誕生してから50年ということで、記念のモデルとして350台限定で入荷されたのが、「マスタング50イヤーズエディション」だ。これには、足回り強化ブレースや、より低いファイナルギアレシオなどのパフォーマンスパッケージが装備されている。

今年の末から、マスタング史上初となる右ハンドル仕様が輸入される予定だが、この50イヤーズエディションは左ハンドルだ。そして、エンジンは、新開発の2.3リットル「エコブースト」を搭載する。直列4気筒ターボエンジンのマスタングってどうなの? と思う人も多いだろうが、想像以上によく走ったというのが、率直な感想だ。

もちろん、大排気量のV8やV6エンジンに比べれば、圧倒されるような迫力は薄れるが、この大きさで1660kgという車両重量に対する不足はないといえる。高回転へ回していった時の、パワーの伸びやかさが壮快だ。また、V8やV6とは音質が異なるが、エンジンサウンドにも、フォードの開発者たちが「作曲した」という音色が演出され、マスタングのスポーティさを損なうことは無かった。

乗り味は、とても上質だった。永年続いてきたリアリジッドアクスルからマルチリンク式へ変更されたリアサスペンションが、偏平タイヤをよく接地させ、安定性がいい。硬めのサスペンション設定とはいえ、乗り心地も悪くない。

ジャジャ馬的な野性味は消え、洗練されたが、それでいて、スピードを上げて走りたくなる躍動感を備えている。

初代からのイメージを継承したインテリアデザインは、アメリカ車好きの心を満たしてくれるだろう。そしてスタイルは、マスタング以外の何ものでもないという個性を発散している。デザインを進化させつつ、伝統の独自性をよく表現できるものだと感心するほどだ。

またアメリカ車に乗りたくなった。そんな思いにさせた新型マスタング50イヤーズエディションである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

御堀直嗣|フリーランスライター
玉川大学工学部卒業。1988 - 89年FL500参戦、90 - 91年FJ1600参戦。94年からフリーランスライターに。主な著書は『燃料電池のすべてが面白いほどわかる本』『ホンダトップワークス』『図解エコフレンドリーカー』『快走・電気自動車レーシング』『ホンダF-1エンジン』『ポルシェへの頂上作戦』『自動車ニューテクノロジー集成』『クルマの基礎知識』など。

《御堀直嗣》

御堀直嗣

御堀直嗣|フリーランス・ライター 玉川大学工学部卒業。1988~89年FL500参戦。90~91年FJ1600参戦(優勝1回)。94年からフリーランスライターとなる。著書は、『知らなきゃヤバイ!電気自動車は市場をつくれるか』『ハイブリッドカーのしくみがよくわかる本』『電気自動車は日本を救う』『クルマはなぜ走るのか』『電気自動車が加速する!』『クルマ創りの挑戦者たち』『メルセデスの魂』『未来カー・新型プリウス』『高性能タイヤ理論』『図解エコフレンドリーカー』『燃料電池のすべてが面白いほどわかる本』『ホンダトップトークス』『快走・電気自動車レーシング』『タイヤの科学』『ホンダF1エンジン・究極を目指して』『ポルシェへの頂上作戦・高性能タイヤ開発ストーリー』など20冊。

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