イスラム刑法導入、反対意見のなか改正案を上程 クランタン州政府

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マレーシアの首都クアラルンプール(イメージ)
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イスラム原理主義政党、汎マレーシア・イスラム党(PAS)が政権を握るクランタン州政府は18日、多くの反対意見が飛び交う中、同州議会(定員45議席)にイスラム刑法の本格実施に向けた「1993年シャーリア刑法2」の改正法案を上程した。

現時点で与党PASが31議席(先のニック・アジズ氏死去でチャンパカ選挙区は現在空席)を掌握している。またイスラム系の与党連合・国民戦線(BN)議員12人全員が支持を表明しており、可決成立する公算が強い。アハマド・ヤコブ州首相は、「イスラム刑法を批判する者は信仰がない者」とした上で、「イスラムで定められたイスラム刑法を拒否したり変更したりする権利は人間にはない」とイスラム刑法実施の必要性を強調した。

クランタン州は同州政権与党であるPASのお膝元であり、イスラム刑法が導入された場合の意味合いは大きい。PASはイスラム教徒だけが適用対象だとして非イスラム教徒に対して理解を求めているが、野党連合・人民同盟(PR)で共闘する民主行動党(DAP)は強く反発しており、野党連合が崩壊する恐れをはらむ。

ハッド刑(Hudud、固定刑)は石打ちや鞭打ち、手足の切断などを伴うため人道的な観点から批判の声が多いが、敬虔なイスラム教徒や原理主義者らからは導入を待望する声が根強い。

伊藤 祐介

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