【ホンダ ジェイド 試乗】ワゴンボディに3列シートで実用性満載…諸星陽一

試乗記 国産車
ホンダ ジェイド
ホンダ ジェイド 全 15 枚 拡大写真

ホンダが新たに追加した『ジェイド』は、ワゴンボディに3列シートを組み合わせた意欲作。パワーユニット1種、駆動方式1種、グレード2種というシンプルな構成でのスタートとなった。

ジェイドの話をするなら、まずパッケージングの話からはじめないとならないだろう。全長×全幅は4650×1775mmで3ナンバーサイズ。真上から見ると『ステップワゴン』よりわずかに短く幅広という感じ。全高は1530mmで、多くの機械式駐車場のリミットとなる1550mmを下回っている。ボディ骨格としての全高は1500mmで、30mmはアンテナの高さとなっている。

上から見た状態でステップワゴンと同等なら、3列のシートを入れるのもさほど大変ではない…と思うかもしれないが、ジェイドはハイブリッド車なのだ。つまり、駆動用のバッテリーも収めなくてはならない。そこで考え出されたアイディアが、駆動用バッテリーなどが収納された「インテリジェントパワーユニット」を運転席と助手席の間に配置するというレイアウト。燃料電池車の『FCXクラリティ』でも採用している方式だ。燃料タンクは2列目シートの下に配置される、いわゆるセンタータンクレイアウトとなっている。

さて、ホンダではジェイドを「新価値ミニバン」という呼び方をしているが、私から見るとどう見てもちょっと背の高いステーションワゴンに3列シートを配置したモデル。走らせていてもミニバン的な背の高さ感などはなく、非常にセダンライク、つまりワゴンライクな走りを見せてくれる。

エンジンの出力は131馬力、モーターは29.5馬力。システム出力としては152馬力を発生。1.8~2リットル級エンジン車と同等の走りを見せるが、モーターによる低速トルクの厚み、デュアルクラッチのミッションによるよどみなき変速感は、普通のミッションを積むエンジン車とは比べものにならないスムーズな走りを得ていて、ひとクラス上のコンフォート性を披露してくれる。

ドライバーズシートに座ると、センターに配置されたインテリジェントパワーユニットのおかげで、タイト感にあふれたコクピットライクな雰囲気を味わえる。この独特の孤立感は、スポーツカーでもなかなかないパターン。恋人を助手席に乗せると、少し疎外感を感じてしまうかもしれないのが少し心配だ。

さて注目は、セカンドシートとサードシート。定員乗車状態でサードシートに乗ると、さすがにちょっと狭さを感じるが、1時間くらいなら乗っていられそうでもある。セカンドシートは最前部では左右にクリアランスがあるが、後ろにスライドさせていくにしたがって左右のすき間は狭くなり、最後にはぴったりとくっついてしまう。つまり、スライドレールが斜めに(V字型)に配置されているのだ。限られた室内スペースを上手に公立よく使う工夫がされている。ラゲッジスペースの拡張性も高く。実用的に使えるクルマに仕上がっている。

高いクオリティと実用性を持ちながら、JC08モード燃費でベーシックモデルが25.0km/リットル、上級モデルが24.2km/リットルという数値を実現。十分な経済性を持ち合わせている。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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