【新聞ウォッチ】ホンダ S660 開発リーダー、高卒26歳大抜擢の“ショック療法”

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ホンダ最年少の開発責任者となった椋本陵氏
ホンダ最年少の開発責任者となった椋本陵氏 全 7 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2015年3月31日付

●ホンダ「軽」ブランド強化、スポーツ車「S660」2日発売、開発者は26歳(読売・8面)

●カローラに自動ブレーキ、トヨタ17年までに全車搭載へ(読売・8面)

●ルネサスCEO遠藤氏が就任へ、元日本オラクル社長(読売・9面)

●高齢ドライバー心得は(朝日・30面)

●オリコ、タイで車ローン、中古車で需要現地法人設立(日経・5面)

ひとくちコメント

他社のやらないことを先駆けてやるのがホンダの真骨頂。だが、その発想もしばらく休止状態だったが、4月2日に発売する軽自動車の新型スポーツカー『S660』では、ようやくそのホンダイズムが目を覚ましたようだ。

1996年に生産を終了した『ビート』以来、19年ぶりとなる軽スポーツカーの復活もさることながら、その新車を生み出したのは、バブル絶頂期の1988年生まれの26歳というホンダでは史上最年少の開発責任者。

きょうの各紙も、S660が加速性能に優れているなどの技術的な説明よりも、「開発リーダーは26歳」という話題を満載。朝日は2面の人物コラム「ひと」で「ホンダ19年ぶりの軽スポーツカーの開発責任者、椋本陵さん(26)」と取り上げた。「オジサン世代には,我々の感性は理解できないでしょう」。「重役が居並ぶ企画会議で大見えを切ってから5年」…との書出しで紹介している。

毎日は社会面で「通常、開発責任者は50歳前後の社員が多いが、『若い世代でも、少し頑張れば買えるような軽スポーツカーを作りたい』という熱意が経営陣の目に留まり、異例の抜てきとなった」と伝えている。

「26歳」という若さも話題を集めたが、椋本氏は「本田宗一郎氏の伝記を読み、ホンダでスポーツカーをつくることを夢見て、岡山県の工業高校を卒業後、デザイン担当として入社」(東京)という経歴をみても話題性がある。最近は一流大学の工学部出身のエリートが多い中での大抜てきは、大企業病に蝕まれたある種のショック療法とも思われる。

ただ、発表会場では報道関係者の中から早くも「20年後の社長候補」との声も聞こえたが、足を引っ張ってせっかくの逸材を潰すのもこの会社の”得意技”だけに、若き開発リーダーのこれからの成長ぶりを見守りたい。

《福田俊之》

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