中部国際空港セントレア(名古屋、NGO)と那覇空港(沖縄、OKA)の間に初めてLCCが就航した。3月29日、その初便となるジェットスター・ジャパンGK381便に乗ると、機長の軽快なアナウンスが聞こえてきた。20代の航空ファンは「軽快でベテランの雰囲気」と笑った。
GK381便(エアバスA320)は、12時過ぎにセントレアを北へ向けて滑走、離陸後に大きく左旋回し、紀伊半島上空にさしかかる。離陸から20分ほどたち、キャビンクルーによる機内販売が始まり、その機長のアナウンスが始まった。
「本日は、ジェットスター・ジャパンGK381便をご利用くださいましてまことにありがとうございます。当機は、5分ほど前に巡航高度に到達しました。ただいま、3万6000フィート、メートルで換算しますと、ちょうど11キロメートル上空を順調に飛行中です。
この先ほぼ、洋上飛行に入ります。飛行計画によりますと、那覇空港まで、ちょうど2時間と計算されています。ただいまのところ、出発が13分遅れて飛行していますが、到着も10分ほど遅れて、14時25分前後に到着する予定です。出発ならびに到着が遅れますこと、お詫び申し上げます。
航路上の天候は、この先おおむね良好です。先ほどのような大きな揺れはないと考えています。しかしながら、大自然のなかを飛行中です。突然の揺れに備えまして、座席にお着きのさいは、座席ベルトをお締めいただきますよう、お願い申し上げます。
ただいま、窓の外は、毎秒42メートルの風が吹いていまして、向かい風の中を飛行中です。また、外気温度は氷点下58度ですが、油圧装置を使いまして、機内のなかは2000メートルの山の上と同じ状態を保っています。那覇空港周辺の天候は、晴れ。地上気温は摂氏23度です。
ちなみに出発しました中部国際空港は11度です。(沖縄は名古屋の)ほぼ倍ぐらいの気温です。到着までどうぞごゆっくりおくつろぎくださいませ。本日のご搭乗、まことにありがとうございます」
名古屋の大学に通う20代の男女は、このアナウンスを聞いて、「なんかいいね」と笑いあっていた。この機長の言葉から1時間半後、「当機はまもなく着陸態勢に入ります」とクルーの声。沖永良部島や、本島の辺野古、平安座島などが右に見え、本島最南の喜屋武埼灯台の南で大きく右旋回し、那覇空港へと滑り降りた。
「いいね」と笑った大学生は、「これから読谷のほうにレンタカーで向かう予定。地元メシも楽しみ」と言いながら那覇空港を離れていった。