JR東海は4月9日、新幹線車両の定期検査周期を一部変更すると発表した。N700系とN700Aについて、状態・機能検査(交番検査)の周期を「30日または走行距離3万km以内」から「45日または走行距離6万km以内」に延ばす。
鉄道車両の定期検査の周期は、「鉄道に関する技術上の基準を定める省令(鉄道技術基準省令)」に基づく「施設及び車両の定期検査に関する告示(定期検査告示)」の別表で規定されており、車両や検査の種類ごとに周期が定められている。別表によると、新幹線電車の場合、走行装置などの状態や機能をチェックする交番検査は「30日又は当該車両の走行距離が3万キロメートルを超えない期間のいずれか短い期間」とされている。
その一方、告示では「耐摩耗性、耐久性等を有し、機能が別表(中略)に掲げる期間以上に確保される車両の部位にあっては、この限りでない」と定めており、車両の性能や安全性を確保できる場合は、告示の規定よりも検査周期を長くすることが可能だ。
交番検査周期の延長は1964年の東海道新幹線開業以来、初めて。JR東海によると、車両の性能向上を踏まえ、過去の使用実績や検査実績から安全性を確認したほか、試験車両での検証も実施。これを受けて国土交通省中部運輸局に検査周期の延長を届け出た。同社は検査周期の延長により「車両運用効率及び検査効率の向上が可能となります」としている。