【ランドローバー ディスカバリースポーツ 試乗】ファミリーにも通用する機能性と走り…島崎七生人

試乗記 輸入車
ランドローバー ディスカバリースポーツSE
ランドローバー ディスカバリースポーツSE 全 9 枚 拡大写真

“4”までの『ディスカバリー』は、道を選ばない走行性能と実用性の高さで大いに説得力を持つ、いわば“SUVの良心”のようなモデルだった。その名を受け継ぐ、新世代ファミリーのトップバッターが同車だ。

段付きのルーフでも左右非対象のリヤウインドでもない外観は、ディスコというより『イヴォーク』を連想する。が、もちろんルーフはアチラほど低くなく、ボディ色の太めのCピラーをアクセントに、周到に実用的なパッケージングになっていることは外観からもわかる。

インパネをはじめとした室内のデザインは、最新のセンスに則したもの。ため息が出るほど大人びて上質な雰囲気。運転姿勢は従来の“コマンドポジション”より低めだが、イヴォークよりアップライトだ。ステアリングホイールのリム断面形状は、ほぼほぼオーソドックスな楕円。シフトはもうお馴染みのダイヤル方式を採用、センターパネルの操作系など、迷わず扱えるのも美点だ。

後席はしっかりとしたサイズ。試乗車は5名乗りだったが、いざという時に心強い+2名(7名乗り)も選択可能。ホイールベースが共通のイヴォークがクーペ的なのに対し、よりファミリー志向の正統派SUVらしい空間に仕上げられている。ラゲッジスペースも左右のトリムをしっかりと“削いだ”形状で、容量が大きい。

2リットルターボ+9速ATの走りは1920kgの車重を感じさせない。段差乗り上げの際のショックの吸収に優れた足まわりは、イヴォークをよりしとやかにした乗り心地に仕上げられていた。タイヤはM+Sだが、試乗車「SE」の19インチ(オプション)は、全体に穏やかな乗り味。

ちなみに「SE Luxury」も試したが、オプションの20インチ(ピレリ・スコーピオンVERDE)は大径サイズながら、キレ味のいいハンドリングと想像以上の音・振動の小ささで快適なドライバビリティになっている。いずれにしろ“スポーツ”を名乗るも、ファミリーカーとして十分に通用する機能性、走りになっていることが試乗で実感できた。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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