【マツダ CX-3 試乗】ディーゼル×MTの包容力を知らずに人生終われない…岩貞るみこ

試乗記 国産車
マツダ CX-3マツダ CX-3 XD Touring L Package
マツダ CX-3マツダ CX-3 XD Touring L Package 全 16 枚 拡大写真

AT大国であり、草食男子のクルマ離れが著しい日本に於いてキワモノ扱いされかねないMTである。だけど、MT苦手の理由が坂道発進と速度に対してギアを的確に選ばなければいけないことだとしたら、ディーゼル・エンジン搭載の『CX-3』は抜け出すことができる。

坂道発進はブレーキを離しても後退しない制御が入っているし(ヒル・ローンチ・アシスト)、ディーゼルのトルクの太さは、ずぼらなギア選びでも楽々カバーしてくれるからだ。

いや、ほんとに。トルク、めっちゃ太い。市街地からちょっとした郊外を走る速度変化くらいなら、3速に放り込んでおけばシフトレバーにさわる必要がないくらい。ディーゼル未体験の人がいるならば、ぜひこの包容力を知らないまま人生を終えることのないよう願うばかりだ。

18インチタイヤを装着しているとはいえ、4WDは、サスペンションをやわらかめに設定。ゆえに硬さは感じられずほどよい乗り心地。MTゆえにクラッチ操作、シフトチェンジチェンジというAT慣れしたドライバーにはプラスαで生じる作業も、マツダが取り組んでいるドラポジ改善が効いている。

このおかげで不必要に上体がぶれることなく操作が行えるのである。ドラポジを適切に保つことの利点が、ここへ来てあらためて実感できる。『デミオ』のときにも書いたけれど、ドラポジをないがしろにしたり、自分のまわりにいる人のつたない感想だけで作っている他メーカーには、ツメの垢を煎じてお出ししたい。4WD、FFともに最低地上高が160mmゆえに、ラフラフなオフロード向きとは言いがたい。それでも、このサイズにこめられたディーゼル4WDは、いろんな可能性と夢を見させてくれる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材中するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  2. 外装も内装も「どピンク」な超高級SUV、ベントレー特注部門のスゴ技とは
  3. アルファロメオの新型SUV『ジュニア』日本発売に、「420万円はリーズナブル」「マジで美しい」など反響続々
  4. ジープ『チェロキー』新型、新写真からリアデザインが判明
  5. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る