ダイハツ ムーヴに「楽ナビ」取付けてみた…思わぬ所に落とし穴も?

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新型ムーブにカロッツェリア「楽ナビ」AVIC-RW09を装着
新型ムーブにカロッツェリア「楽ナビ」AVIC-RW09を装着 全 13 枚 拡大写真

新車を購入する時、好みのカーナビゲーションを取り付けるためにオーディオレス車を選ぶ人は多いと思う。ここでは新型ムーブに純正ではなく、市販ナビであるカロッツェリア「楽ナビ」での体験例を元にその辺りを詳しくレポートしたい。

◆ダイハツのオーディオレス車にナビ取り付け金具は付いてこない

今回目指したのは、メーカーオプションで「純正ナビ装着用アップグレードパック」を備えた新型ムーブに、市販ナビである『楽ナビ』の「AVIC-RW09」を取り付けることだ。オーディオレスとはいえ、このパックを装備することでステアリングリモコンとバックカメラが加わり、スピーカー関係では2スピーカーがフロント用ツィーターを含む6スピーカーに変更される。また、オーディオパネルは光沢のあるプレミアム シャインブラック仕様に置き換わる。これすべてを装着して価格は2万円(税別)。かなりお得なオプションと言っていいだろう。

ただ、注意したいのはこのパックは、基本的に「純正ナビ装着用」であって、メーカーは市販ナビを装着できるか、装着できたとしても動作保証まではしていない。つまり、これに市販ナビを組み合わせることはメーカーは一切保証せず、あくまで自己責任の範囲で行うべきことになのだ。とはいえ、世の中ではこの仕様に市販ナビを組み合わせる例は数多くある。決してこの組み合わせが御法度であるわけではないことは知っておこう。それでも、ダイハツ車への取り付けではあらかじめ知っておくべき項目がいくつかある。まずはそこからレポートすることにしよう。

ナビをインダッシュに取り付けるにはビス止めする金具が必要になるが、一般的にはオーディオレス車を選ぶとそれが備わっているのがほとんど。ところが、ダイハツ車ではそれは純正ナビ側にキットとして用意され、オーディオレス車そのものには備わっていない。しかし、金具は純正部品として単品でも用意されており、新型ムーブ購入店で品番「08606-K2018」を注文すると補修部品として手に入る。価格は税別800円だ。これでカーナビ本体をインダッシュに治めることは可能になる。

◆純正ナビ装着用アップグレードパックに「楽ナビ」を取り付ける

続いての課題、それは「純正ナビ装着用アップグレードパック」との接続だ。これは少々やっかいだ。この場合、車両側からは“20ピン”コネクターが来ており、「楽ナビ」AVIC-RW09に付属する「トヨタ車専用ステアリングリモコン変換コード」を接続すればステアリングリモコンでの操作ができるようになる。ところが、ここで問題がある。実は“20ピン”の中にはステアリングリモコンからのラインと、バックカメラからのラインも含まれてしまっている。つまり、このまま接続するとではバックカメラからの映像を楽ナビ上で映せなくなってしまうのだ。

純正ナビであれば、そのまま20ピンのコネクターを接続すれば、カーナビ内部でステアリングリモコンとバックカメラ両方に対応できるが、市販ナビではこれに対応できていない。そこで必要になるのがもう一つの純正部品で、品番「08541-K2003」だ。このパーツは「バックモニターケーブル」として販売されているもので、価格は税別900円。このパーツのの役割は、ステアリングリモコンとバックカメラそれぞれのラインを振り分けること。これを接続することでステアリングリモコンにつながるラインとバックカメラへのラインを確保できるようになった。

実は、この部品にたどり着くまでに少々時間がかかった。ダイハツのサービスでは“20ピン”にステアリングリモコンとバックカメラのラインが含まれていることは教えてくれたものの、それを分岐する方法は教えてもらえなかったのだ。結果として、ネット上をあちこち探索することで対応部品が純正にあることを発見。この情報を元に再びディーラーに掛け合うと、その存在を認めて補修部品として注文できたというわけだ。ダイハツにしてみれば、動作保証できないものを簡単に教えにくかった可能性はある。

◆バックカメラは映し出せたものの、ステアリング連動は非対応

続いてバックカメラの電源を供給するための接続が必要になる。くどいようだが、純正ナビなら車両側からの20ピンを接続するだけでバックカメラへの電源回路も得られる。それとは違い、今回は市販ナビを取り付けるわけだから、ここは納得して対応するしかない。今回の取り付けで使ったハーネスは「ENDY EVC-811T」で、価格は税別3000円。他社製でも同様な製品は用意されており、価格等と睨みながら選ぶといいだろう。これでステアリングリモコンとバックカメラの両方が利用可能になったわけだ。

ここまで無事に取り付けられた楽ナビだが、一つだけ純正ナビと違う点がある。それは、バック時に表示されるガイド線が純正のように“ステアリング連動”とならないことだ。ただ、純正で装着されたユニットをほぼ活かす形で機能させられるメリットはとても大きい。AV機能のスタートはステアリングリモコンの「MODE」ボタンを押せばいいし、トラックサーチやボリュームのアップ/ダウンもステアリングから手を離さずにできるのだ。「MODE」ボタンを長押しすればAV機能のOFFもできる。これは一度使い出せば後戻りできない便利さと実感するに違いない。

これ以外に、サードパーティからもこれらを実現するキットも販売されているが、価格面を考慮してもこの二つの純正部品「08606-K2018」と「08541-K2003」を組み合わせる方が断然お得だ。

最後に忘れてはいけない注意点として、必ず市販カーナビを取り付ける際にはこの二つの純正部品を持参することだ。バックカメラとのハーネスはカー用品店であればすぐに手に入るが、純正部品はそうはいかない。一応、カー用品店でも部品の代行発注は可能だが、その場合は車検証のコピーなどを提出することが求められる。カー用品店はあくまでユーザーの代行であり、車検証の情報があって初めて手配ができるわけだ。その分だけカーナビの取り付けが遅くなることは言うまでもない。

今回は、その他にDSRC車載器やビーコンユニット、iPhone/iPod用USB変換ケーブルなどを装着。さらに、データ通信を行うための通信モジュールも用意した。これでほぼフルスペックで「楽ナビ」の魅力が利用可能になる。次回は、この楽ナビを使ったインプレッションをお届けしたい。

《会田肇》

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