【新聞ウォッチ】トヨタとマツダ、得意の環境技術を軸に提携拡大へ

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トヨタ自動車本社
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。



2015年5月11日付

●大手系列スタンド苦境、ガソリン量販店割安仕入れ(読売・7面)

●世界景気薄曇りに、米中、弱まるけん引力(日経・1面)

●自動車保険料下げ、損保ジャパン日本興亜、11年ぶり、競争激化で(日経・1面)

●中国、追加利下げ、昨年11月以降3回目(日経・1面)


ひとくちコメント

2015年3月期連結決算で最終利益が2兆円を超えて、2年連続で過去最高を更新したトヨタ自動車。その決算発表翌日の5月9日朝刊は「トヨタ最終益2兆円、日本企業初、2年連続最高更新」(産経)などと、各紙とも大きく取り上げていた。

そんな中、その日の日経朝刊の1面トップは「トヨタ・マツダ包括提携」「燃料電池車・低燃費技術で、部品共同調達も」の大見出しで、トヨタとマツダが環境技術で包括提携することで「最終調整に入った」と報じた。

両社はすでにハイブリッド車(HV)技術や小型車の供給で手を結んでいるが、トヨタは次世代エコカーの本命とされるFCVのほか、家庭の電源で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)の技術を提供する。一方で、マツダは、ガソリン・ディーゼルエンジンの出力向上と燃費改善を両立させる独自技術「SKYACTIV」を提供する方向で調整中としている。

この報道に対する両社のコメントは,特報した日経が9日夕刊で掲載。トヨタは「本件についてはなにも決まっていることはない」。マツダも「現時点で決まったことはない」との決まり文句。

ただ、火の無い所に煙は立たぬように、その日の夕刊で毎日が「トヨタとマツダ提携」、東京も「トヨタ・マツダ提携拡大」などと追随。翌10日朝刊でも、読売、朝日、産経が「トヨタ・マツダ提携強化へ」(読売)と取り上げた。

さらに、日経は「燃費や安全面での規制が世界的に厳しくなっており、1社ですべての開発費を負担することは難しくなっている」と指摘。「資本関係ありきではなく、ライバルでありながらも握れるところで手を握る」として「『競争と協調』が最近の自動車業界の潮流といえる」と伝えた。

今から7、8年前の話だが、ある経済雑誌で当時のマツダの井巻久一社長が「最近、“トヨタ詣で”に余念がない」と、水面下での接近説も流れていると書いたことがあり、当時としてはやや勇み足との見方もあった。だが、そんな先人たちの地ならしが、ようやく実を結ぶことにもなりそうだ。

《福田俊之》

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