萩原流行さんバイク事故、瞬間を記録する映像「開示して検討してもらいたい」

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笑顔を見せていた萩原まゆ美さんだが、時折なんども唇をかみしめた
笑顔を見せていた萩原まゆ美さんだが、時折なんども唇をかみしめた 全 2 枚 拡大写真

4月22日に起きた俳優の萩原流行さん(享年62)のオートバイ事故で、妻のまゆ美さんが会見に臨んだ理由は、交通事故の検証に関する不信も、大きな理由のひとつだった。

一部メディアは会見同日に、防犯カメラの映像の解析や現場検証などから、事故の直前まで左側の車線を走っていた警視庁の護送車の車線変更が、オートバイの転倒につながった可能性があると報じた。

代理人の堀内稔久弁護士によると、この映像は事故現場付近のスーパーマーケットの防犯カメラが撮影していたものだ。5月14日、現場となった幹線道路を通行止めにして行った事故再現に堀内弁護士は、まゆ美さんと共に立ち会った。そこではカメラから現場がどう見えるかということも確かめられたという。

「まっすぐ走ってきて、警察車両がいきなり右側に突っ込んだので、彼がよけようとしてよろよろして倒れたという人もいる。目撃情報の中には、流行さんをひいた車両の前にも車両がいて、最初の車両は流行さんをよけて、次の車両が衝突したということも出ている」(堀内氏)。

警視庁杉並警察署は、現場再現の目的を堀内氏に明かさなかった。事故現場の再現は、普通に考えれば事故を起こした運転者の責任追及のためだ。それが実況見分だ。

「これは刑事事件として責任を明確にする実況見分調書なのか、それとも交通事件の場合に警察が内部資料として作る写真撮影報告書なのか。報告書であれば、現場が上層部に報告するためのもので、外部には出さない。6時間の間に何度も聞いたがはっきりしない」(堀内氏)。

事故当日、まゆ美さんは現場を通って、萩原さんの搬送された病院を訪れた。そこは警察官もまばらで、バイクがそのまま放置されていたという。そのため現場再現で転倒したバイクの位置が違っていることに気付き、抗議したが受け入れられなかった。

交通事故の当事者の一方が亡くなっている場合、現場の再現はどうしても生存する当事者の主張に偏りがちだ。まして、その当事者が検証を行う側にいる警察官だった場合、通常の交通事故捜査以上の厳しい中立性が求められる。堀内弁護士が語った。

「その状況は実際どうなのか。それを知りたい。後々の重要な証拠になるので、公正な判断のために(映像を)保存してもらいたい。そのためには、ぜひみなさんもこういう問題があるということを認識していただきたい。(映像を)廃棄するなということを伝えるためにも会見を開いた」。

《中島みなみ》

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