人材は採れなくて当たり前? 中小企業の経営論

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いい人材をどう集めるか
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 このところ、景気の回復基調がところどころで見え始めたこともあり、中小企業でも人材採用に積極的に取り組むところが増えてきました。

 中小企業の採用活動で、経営者や採用担当者の方々から常々聞くのは、「いい人がなかなか採れない」という話です。それなりの投資や活動上の工夫をしていても、満足がいく結果になっている会社は、ごく一部だけではないでしょうか。

 ライブドア元代表のホリエモンこと堀江貴文氏は、自身のメルマガ読者の経営者から届いた「自社に合った良い人材を採用するコツは?」という相談に対して、「零細企業では『自社に合った良い人材なんか採用できるわけがない』と割り切ること」「会社に魅力的な何かがあっても、会社の存在すら知られないから人はこない!」とハッキリ言い切っていたという記事がありました。

 中小企業の採用現場で私が感じることとしても、ある意味においてこれは真実だと思います。

 私は様々な立場で企業の採用活動をお手伝いしますが、中小企業の経営者や役員、採用担当者の実に多くの人たちが、「どうせ大きな会社を選ぶに決まっている」「しょせん大企業には勝てない」「うちみたいな会社に良い人が来るわけがない」など、自虐的と言われても仕方が無いことを言います。

 優秀な人からの応募があっても「どうせうちには来ないだろう」、他社と競合すれば、「大きい会社、安定した会社に行くに決まっている」などと言い、それがついつい態度や言動に出てしまったり、中には応募者に対して、そんなことをはっきり言ってしまうような人もいます。

 「卑屈になるな」「前向きに考えろ」などと言いたくもなりますが、ただ気合いや心掛けだけでどうにかなるほど甘くないということも事実です。

 ただ堀江氏は、話の続きでこんなことも言っています。

「会社の成長について来られない人達にあわせて仲良くやると、やっぱり企業の成長は遅れる。それでもいいからじっくり成長を目指すのか…。でも、もっとスピードをあげたいとなったらそうはいかない」
「そもそも、後から入ってくる人たちの方が優秀なことが多い」
「その人たちは『何でこの人が上司なんだろう?』と思い、最後は『あの人の下ではやってられません』と言ってくることがある」

 これがどういうことかというと、企業のステージによって優秀な人材の定義は変わり、必要な人材も変わり、会社としてその時にできることのレベルも変わっていく、ということです。

 私自身、企業の規模拡大や成長過程の中で、徐々に社員が入れ替わっていく経験をしましたし、企業の成長度合いによって、集まってくる人材の量や質はまったく違いますから、その時々でできることややるべきことは変わっていきます。

 現在の採用活動は、就職サイトほかの求人媒体に広告を出す、人材紹介のエージェントに依頼するといったことが中心になっています。こういう中では、ネームバリューがあって目に留まりやすく、平均以上の待遇が用意でき、採用活動に多くの投資ができる大企業の方が有利に決まっています。

 正攻法の戦いの中では勝ち目がないのは当たり前であり、中小企業は、非効率であってももっと地道なゲリラ戦のような工夫が必要です。

 これは私の知人のある社長ですが、自社の内定辞退者とはできる限り個人的な友人関係になり、年に1、2回は必ず飲みに行ったり食事をしたりして、顔を合わせているという人がいます。どんなに優秀な人材でも、思い通りのキャリアを積める訳はなく、そんな迷いが生じたときに「あらためてうちに会社に来てみないか?」と声を掛けられる関係になるためだそうです。個人的な「スカウト人材リスト」を持っているということでしょうか。

 また、一見ドライだと思えるアメリカでも、就職活動は人脈やコネがかなり大事だそうで、企業が人を採用する際には、必ずその周囲に仕事ぶりなどの評判を確認するのだそうです。

 人材の質に左右されないよう、徹底的に仕組みづくりを進めている会社もあります。一つの方法ではあるでしょう。

 私が考える中小企業の採用三原則として、「高望みしない」「卑屈にならない」「あきらめない」ということがあります。特に中小企業の採用活動で、思っている理想の人材に出会うことは、一生に一度あるかないかだと思います。それでもできることを工夫して、やり続けなければなりません。

【中小企業の『経営論』】第4回:「人材は採れなくて当たり前」という話を聞いて思うこと

《小笠原隆夫/ユニティ・サポート》

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