【NEW環境展15】廃タイヤのリサイクルもここまで進化…サカモトテックス

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製紙工場に持ち込まれる、32分割された廃タイヤ
製紙工場に持ち込まれる、32分割された廃タイヤ 全 5 枚 拡大写真
すり減ったタイヤはどうリサイクルされているか、ご存知だろうか。以前某タイヤメーカーから教えてもらったのは、タイヤはゴムと鉄、その他の金属や繊維、シリカなどで作られており、それらがセメントの材料としても必要な元素のため、焼成時に一緒に燃やすことで役立っているということだった。

大型トラック用のタイヤなどはリトレッド、つまり表面を張り替えた再生タイヤとして再利用されるが、それも2回程度で廃タイヤとなる。サカモトテックスのブースには、そんな廃タイヤをたくさん背負った巨大な機械が展示されていた。

「確かに廃タイヤはセメントの原料兼燃料として使われていますが、現在はセメント用としての需要は少なく、大半は製紙業の工場が燃料として利用しているんです」と説明してくれたのはサカモトテックスの清水工場長。

セメントの場合は廃タイヤを32分割程度にカットすればそのまま使えるらしいが、製紙工場で燃料にするにはさらに細かく裁断してチップ状にして利用されるそうだ。

「その場合、ビードワイヤーを取り除かないとチップにする際の刃物が傷んだり、スラッジが多くなってしまうのでワイヤーを取り除くことが要求されるんです」。

そこで開発されたのが、このダブルビードワイヤー除去機なのである。タイヤを上部に載せると、チェーンで後部へと運ばれ、後端の壁にセットされると斧のようなゴツい刃物がタイヤの内側から突き出ると、ビード部分を釜のような部分で引っかけて引き込むことで、タイヤからビードワイヤーを分離する。あっという間にワイヤーだけがタイヤから取り除かれた。

同社ではホイールに組まれたタイヤを油圧プレスで一気にホイールから外す分離器や、タイヤを裁断するカッターなどもラインナップしている。

石油由来の合成ゴムが大部分を占めているだけに、完全なリサイクルが難しいタイヤは燃料として利用されるのが現時点では最も効率の高いリサイクルと言えそうだ。

《高根英幸》

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