【マクラーレン 570S / 540Cクーペ 発表】創設者ブルースの夢を乗せたロードカー

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マクラーレン 570Sクーペ
マクラーレン 570Sクーペ 全 8 枚 拡大写真

マクラーレン・オートモーティブは日本において、『570Sクーペ』と『540Cクーペ』を発表。その会場には同社ブランドアンバサダーであり、創設者ブルース・マクラーレンの娘であるアマンダ・マクラーレン氏も登壇した。

初来日となる彼女が、イギリス・ヒースロー空港を飛び立ったのは6月2日。この日は奇しくも45年前、ブルース・マクラーレンが亡くなった日でもあった。

ブルース・マクラーレン(1937~1970)は、ニュージーランド生まれのレーシングドライバーであり、チームオーナーで、F1やル・マン24時間レースでも活躍。自らのチームで開発した1970年用のCan-Amマシン、『M8D』のテスト中に事故死した。

アマンダ氏によると、この事故によってブルース・マクラーレンモーターレーシングは終わったと誰もが思い、工場にいるメカニックにも、翌日は出社しなくてもよいと指示が出されていたという。しかし、翌日、メカニックたちは工場に戻り、クルマに対して様々な作業を開始していた。その理由についてあるメカニックは、「決してブルース・マクラーレンモーターレーシングは無くなることはないといっていた。これはまさに、私の父でもあるブルース・マクラーレンへの最大の評価だと受け止めることが出来た」と思いを語る。

また幼少だった故に父親の想い出はないとしながらも、「彼のことは大変多くの人が記憶にとどめてくれており、多くのメカニックが、彼に雇われて働いていたのではなく、彼と一緒に働いていたんだと話をしてくれた」と話す。

また、ブルース・マクラーレンモーターレーシングの共同創設者でもあるテイラー・アレクサンダーは彼女に、「ブルースがもし仮に砂漠に行ってここにビルを建ててくれといったら、我々はすぐに実行に移しただろう。そのくらい素晴らしくユニークなインスピレーションを持っている人だったと話してくれた。そういったイメージを私は娘として抱き続けてきた。彼が達成したこと、彼が持っている記録に関してもとても誇りに思っている」とした。

そういった彼に対する想いは、「マクラーレン・テクノロジーセンター、マクラーレン・テクノロジーグループ、更にマクラーレンF1チーム、マクラーレン・オートモーティブにおいても、いまなお生き続けている」としたうえで、「レーシングカーを設計し、作り、レースに参加するだけではなく、父の夢はロードカーを作りたいというものだった。実際に『M6BGT』があったが、彼が死亡した後はその夢は消え去ったのだ」と述べる。

しかし、「夢は叶えられるものだ。まさにマクラーレン・オートモーティブを通じて、父の夢が叶えられているように思う。そして、父は必ずやマクラーレン・オートモーティブおよび、彼らが作っているクルマに対して、大変誇りを持っているだろう。そのためにも、今回マクラーレン・オートモーティブのブランドアンバサダーとして参加したのだ」とコメントした。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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