BASFは、イノベーションを促進し、起業家精神を高める宇宙農業研究プロジェクトを支援すると発表した。
ドイツのラーフェンスブルクにあるエーディト・シュタイン・スクールの農業プログラムに参加している3人の学生が、宇宙の微小重力状態で作物栽培を課題とした研究プロジェクトを立ち上げた。地球から約320km離れた宇宙ステーションで、品質の良い野菜を大量生産する可能性を検討するもの。
研究プロジェクトは、2015年末に国際宇宙ステーション(ISS)への打ち上げが予定されており、BASFが科学面、資金面で支援する。
NanoRacksとのSpace Act Agreementを介してNASA(米航空宇宙局)の教育プログラムに採用されるドイツ初の学生プロジェクトとなる。
微小重力で植物の繁殖に挿し木が使えると、長期の宇宙飛行の際に宇宙農業によって食料を供給する取り組みに向けた大きな一歩となる。しかし、これまで微小重力下で行われてきた実験では、苗の根が成長することに研究に重点が置かれていた。BASFでは、今回の実験による「挿し木は重力の誘導なしで根系を成長させることができるのか」との研究はシンプルだが、画期的としている。
学生による研究チームは現在、ISSに適した実験を計画している。BASFは、30日間ISS環境で植物を健康に保ち、真菌病にかからないようにするための知識を提供する。学生たちは、フロリダにあるケネディ宇宙センターの実験室で試験を実施する前に、ドイツのリンブルガーホーフにあるBASFの農業研究所で専門家たちによるインターンシップに参加する。