【日産 エクストレイルハイブリッド 試乗】走りの仕上がり良し、3列シートが欲しかった…諸星陽一

試乗記 国産車
【日産 エクストレイルハイブリッド 試乗】走りの仕上がり良し、3列シートが欲しかった…諸星陽一
【日産 エクストレイルハイブリッド 試乗】走りの仕上がり良し、3列シートが欲しかった…諸星陽一 全 16 枚 拡大写真

なかなか発表されなかった日産『エクストレイル』のハイブリッド版がついに登場。試乗の機会を得た。

【画像全16枚】

エクストレイルのハイブリッドは、基本的にガソリンエンジン車にモーターをプラスしたという考え方でいいだろう。ガソリンエンジン車、ハイブリッドともにエンジン出力は147馬力。ハイブリッドの場合は、このエンジンに41馬力のモーターをプラスして、システム出力188馬力を実現している。

エクストレイルハイブリッドのシステム構成は、エンジン/クラッチ/モーター/CVTというパラレル構成。エンジンのみでも、モーターのみでも走行可能。さらにCVTにトルクコンバーターが付いていないので、トルクの伝わり方にダイレクト感がある。

乗ってみて感じるのはモーターがいつ動いて、いつ止まっているのかがほとんどわからないということ。もちろん、モニターを確認すればわかるのだが、それをしない限りかなりわかりにくい。これはハイブリッドにとっては、「いいこと」として評価される。しかし、ある程度はモーターが動く、動かないがわかったほうが運転手としては楽しい。ハイブリッドを感じることができるのが、給油時のみじゃあちょっとつまらない。

エクストレイルハイブリッドの大きな特徴は、ガソリンエンジンと同様にオールモード4×4iの駆動方式が選べること。モーターがクルマのシステムとしてのトルクをかさ上げしてくれている上に、このオールモード4×4iが使えるのだからラフロードでの走りにも期待が大きい。

高速道路を走っていても、一般道を走っていても十分なトルクに助けられて、2リットルエンジンを超えた余裕のある走りが可能。ゆったりと余裕のある走りは、クルージングを楽しむのにはピッタリの設定。車重はエンジン車よりも60kg程度重いがハンドリングなどに大きな影響は感じられない。

エクストレイルハイブリッドがガソリンエンジンモデルと大きく異なる点は、サードシートが装着されないこと。エンジンモデルにもサードシートレス仕様があるが、ハイブリッドの場合はシステムを搭載するためサードシートの取り付けが物理的に不可能となっている。

つまりエクストレイルハイブリッドはハイブリッド化するにあたり、サードシートをあきらめたわけだが、それではパッケージングの妙というものを感じることはできない。なんとか工夫をして3列シートを維持したまま、ハイブリッド化を実現してほしかった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活躍中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. レクサスの新型「6輪ミニバン」の全貌が明らかに!「LS」はラグジュアリーセダンから「ラグジュアリースペース」へ…ジャパンモビリティショー2025
  2. 日産 フェアレディZ をレーシングカーにカスタム、「NISMO GT-Z」発表へ…SEMA 2025
  3. ライバルはアルファード? メルセデスベンツの最高級ミニバンが日本初公開!…ジャパンモビリティショー2025
  4. 【スズキ ソリオバンディット 新型試乗】ソリオの魅力は“実用前提のちょうどよさ”にある…島崎七生人
  5. MASERATI 111th “永続する美と走り”をいま、あなたの週末へ。PR
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る