【ルマン24時間 2015】トヨタ、決勝での逆転を見据え虎視眈々…まもなく決勝スタート

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決勝での逆転を狙うトヨタ『TS040ハイブリッド』
決勝での逆転を狙うトヨタ『TS040ハイブリッド』 全 15 枚 拡大写真

2015年のルマン24時間耐久レース。総合優勝に期待がかかるトヨタ勢はライバルの先行を許し7・8番手からのスタートとなるが、決勝での逆転優勝に自信をみせている。

現地時間の10・11日に行われた予選ではポルシェの速さが目立つ一方でトヨタ『TS040 HYBRID』の2台は苦戦。2日目もタイムを伸ばすことはなくA・ブルツ/S・サラザン/M・コンウェイの2号車が3分23秒543で7番手、A・デビッドソン/S・ブエミ/中嶋一貴の1号車が3分23秒767で8番手。ポールポジションを獲得した18号車ポルシェから、6秒以上もの差をつけられてしまった。

この予選結果に「今年のトヨタは大丈夫なのか?」と不安視する方も多いと思うが、実は陣営はすでに予選1ラップのタイムより、決勝での24時間にどれだけ高いパフォーマンスを発揮できるか、その準備にとりかかっていたのだ。その証拠に昨年ポールポジションを獲得した一貴は3分21秒789。パフォーマンスが向上した今季仕様にも関わらず今年の方がタイムが遅くなっているのだ。

予選後、リリースでコメントを発表したドライバー陣は「もし本当に予選に集中していれば、もっと接近したタイムが出せたと思う(A・デビッドソン)」「予選でのタイムアタックは狙わなかった(S・ブエミ)」「予選セッションを通して、計画通りの準備を進めた(A・ブルツ)」と揃ってコメント。佐藤俊男チーム代表も「決勝レースでのライバルとのギャップ(差)は、予選ほどは大きくないと考えています。エキサイティングなレースになると思います」と、予選結果のことは大きく気にしていないコメントだった。

コースの半分以上が公道であるルマンのサルト・サーキット。ここで実際にマシンをテストする機会は非常に限られており、5月末の公式テストで8時間、今週も予選前に4時間のフリー走行が行われたが、24時間を力強く走り抜くためには十分とは言えない。特に今年は天候に恵まれることが少なくドライコンディションで走り込めたのは予選2日目だけ。ここで決勝に向けてのタイヤ特性の確認やマシンのセッティング変更による確認を行なえたことは、決勝レースでは間違いなく大きな武器になるだろう。

それでも、百戦錬磨のポルシェ、アウディを相手にシビアな戦いになることは確実。決勝について1号車に乗る中嶋一貴は「チーム一丸となって、ミスを犯さず、信頼性トラブルにも見舞われることなくプッシュし続ければ、結果はついてくるだろう」とコメント。昨年、真夜中のサルト・サーキットでトップ快走中にトラブル発生、そのままリタイア。誰よりも悔しい思いをしたと同時に、長丁場の決勝レースを走り抜く難しさを人一倍知っている。それだけに彼の存在はチームにとっても大きなものになっている。

当初は4月末スパ・フランコルシャンでクラッシュし脊椎の一部を損傷。ルマン参戦も絶望的と言われていた一貴が、回復が間に合い参戦出来ているというのは。間違いなくチーム全体にとっても追い風になっているのだ。

昨年のリベンジを果たすことが出来るか、注目の決勝レースは日本時間の13日22時にスタート。トヨタ勢の追い上げに期待だ。

《吉田 知弘》

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