X線天文衛星「すざく」、通信が間欠的にしか確立できない状態に…正常化に1~2カ月間

宇宙 テクノロジー
X線天文衛星「すざく」
X線天文衛星「すざく」 全 1 枚 拡大写真

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、X線天文衛星「すざく」(ASTRO-EII)が、年6月1日の運用以来、衛星の動作状況を知らせる通信が間欠的にしか確立できない状態が続いていると発表した。

「すざく」は、2005年7月10日に、内之浦宇宙空間観測所からM-Vロケット6号機で打ち上げられた日本5番目のX線天文衛星。目標寿命である約2年を超えて、約9年にわたって観測データを取得し、銀河団外縁部に至るX線スペクトルを初めて測定するなど、様々な成果をあげてきた。

一方でバッテリの劣化が進み、観測継続のため、バッテリの使用方法を工夫しながら運用を続けてきたものの、6月1日の運用以来、衛星の動作状況を知らせる通信が間欠的にしか確立できない状態が続いている。

JAXAでは現時点で、通信不良は電力不足に起因すると推測しており、間欠的な衛星の動作状況を知らせる通信データの蓄積から、衛星状況の把握に努めている。

「すざく」は、衛星の電源が失われて姿勢制御ができず、約3分間に1回の周期で無制御にスピンしている状態だと推定されている。バッテリが機能しておらず、衛星の太陽電池パドルに日が当たっている時間だけ衛星の電源が入り、太陽電池パドルに日が当たらなくなると直ちに衛星電源が切れるという状況と見られる。

今後、少なくとも1~2カ月間にわたって正常観測への復帰を目指し、姿勢の安定と、安定した電源を確保する方法を模索する。

《レスポンス編集部》

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