海と陸の割合とトレッドパターンの進化…タイヤの溝、デザインに歴史あり

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ブリヂストンプルービンググラウンド(栃木県那須塩原市)で2015年6月2日に行なわれた「梅雨直前の体験会」
ブリヂストンプルービンググラウンド(栃木県那須塩原市)で2015年6月2日に行なわれた「梅雨直前の体験会」 全 14 枚 拡大写真

全国的に平年より長い梅雨になるといわれる日本。ブリヂストンは6月初旬、栃木県那須塩原市のテストコースでタイヤデザインの講義を実施。同社デザイン企画部部長の氷室泰雄氏が、「ウエット性能向上に向けたパターンデザイン変遷」について語った。

「まず基本として」と切り出した氷室氏。タイヤのトレッドパターンの機能と要素について、地球の海と陸の割合を例にこう語った。

「クルマの走る、曲がる、止まるは、接地面のトレッドの働きに直結する。タイヤのトレッドパターンは、接地面が7、溝部が3という割合でできている。地球の海と陸の割合、7対3と同じ」(氷室氏)

このタイヤの接地面と溝部の“黄金比率”が変化すると、「良し悪し」が出てくるという。たとえば溝が増えると、排水性は良くなるが、タイヤノイズは増え、接地面積が減ったことからブレーキ性能や磨耗性能が落ちるという具合だ。

「この接地面と溝部のバランスをふまえながら、トレッドパターンを進化させることで、グリップを向上させてきた」と氷室氏はいう。

ポテンザシリーズのトレッドパターンを見ると、1980年代からストレート、ユニディレクション、スーパースラント、F1ノーズ、3Dステルスといった変遷を経て、2015年に登場したRE-71Rへと結実している。

RE-71Rは、転がり抵抗係数がC、ウェットグリップ性能がbというスポーツ系タイヤ。従来のモデルと違うのは、ショルダー部まで溝が回りこまない「セブングルーブ」というレイアウトを採用したこと。ショルダー部の溝を最小限にとどめ、コーナリング限界時の剛性を確保するという狙いがあるという。

氷室氏は、「もともとこうしたタイヤは、F1マシンのウェット用に開発されていた技術。途中でF1から撤退してしまったが、いまもこうした市販製品にその技術が活かされている」と話していた。

《レスポンス編集部》

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