トヨタ自動車では初の外国人副社長に就任したディディエ・ルロワ氏(57)は6月17日、豊田市で報道関係者と懇談し「トヨタに新しいエネルギーと情熱を持ち込むことで、真の競争力向上に努めていきたい」と抱負を述べた。
「真の競争力」についてルロワ副社長は「楽しくクリーンでお客様に笑顔をもたらす、もっといいクルマによって持続的成長が実現できること」との見解を示した。そのうえでトヨタの強みは「トヨタ生産方式やトヨタウェイに示される長年の価値観」と指摘、これらを維持しながら「すべての社員がチャレンジすることが大切」と述べた。
ルロワ副社長は今年4月から先進諸国などを担当する「第1トヨタ」のプレジデントにも就任している。カバーする日本市場では「若い人を魅了し、クルマを買っていただくことが重要であり、ディーラーの方に一緒にやりましょうよと、話しかけている」と語った。
フランス人のルロワ副社長は技術者としてルノーに16年勤務した後、1998年にトヨタのフランス工場立ち上げ時に副社長として入社。同工場の社長や欧州統括会社の社長などを歴任、2012年にトヨタの専務役員に就き、今月、副社長に昇格した。