経済産業省は、鉄鋼・非鉄産業を併せた金属素材産業の競争力を強化するため、初めて一つの研究会で取り上げ、目指すべき方向性を「金属素材競争力強化プラン」として提示した。
金属素材産業は、基幹輸出産業で、地域の経済、雇用創出を支える存在で、世界的に需要の拡大が見込まれる自動車、航空機、エネルギーなどの分野に競争力のある部素材を提供している。ただ、金属素材産業は、ユーザーニーズの高度化と多様化、海外競合者のキャッチアップ、エネルギーコスト上昇などの事業の制約要因、デジタル化への対応という共通課題を抱えている。
これら課題を克服するため、3つの戦略を進める。技術開発戦略では、素材の高度化とマルチマテリアル化を実現するための材料設計技術、製造技術、分析・評価技術を官民で開発する。これらを支える融合人材の育成と、トラブルの予防を保全するなど、周辺の基盤域の整備も官民で進める。
国内製造基盤強化戦略では、日本の金属素材企業が、国内で生産活動を継続し、国際競争に打ち勝つための共通基盤を強化する。
グローバル戦略では、日本の金属素材企業が、技術力の強みを発揮し、拡大する海外の需要を取り込む環境を整備する。