【ベントレー コンチネンタルGT V8S 試乗】マン・マシンの一体感はW12をはるかに超越する…山崎元裕

試乗記 輸入車
ベントレー コンチネンタルGT V8S 2016年モデル
ベントレー コンチネンタルGT V8S 2016年モデル 全 44 枚 拡大写真

ここ最近のベントレー躍進の原動力となっているのは、『コンチネンタルGT』、そして『フライングスパー』にも設定されるV8モデルだろう。

ベントレーによれば、実際にカスタマーが選択する、W12モデルとV8モデルの比率は、おおむね50:50。これはW12モデルとV8モデルとの、明確なキャラクターの違いがカスタマーに理解された結果といえる。

コンチネンタルGTのV8モデルに与えられたキャラクターとは何なのか。それを再確認するために、2016年モデルとして登場した、マイナーチェンジ版『コンチネンタルGT V8S』のステアリングを握った。試乗車は鮮やかなモナコ・イエローのボディーカラーに、ベルーガのインテリアカラーというコンビネーション。そのクオリティは、W12モデルと変わらない。

試乗を始めてすぐに、まずはV8Sの軽快さに驚かされた。搭載される4リットル仕様のV型8気筒ツインターボエンジンの最高出力&最大トルクは、528ps&680Nm。これはスタンダードなV8と比較すると21ps&20Nmのエクストラという計算になるが、軽快な走りを演出する最大の理由は、このパワー&トルクスペックではなく、きわめてナチュラルなハンドリングにあることを理解する。

ステアリングは常にリニアな印象を崩さないし、コンパクトなV8エンジンの恩恵で、コーナリングではノーズの軽さをダイレクトに感じる。サスペンションの動きも素晴らしく、結果マン・マシンの一体感という意味では、V8モデルの魅力はW12モデルをはるかに超越する。

528psのパワースペックには、もちろん不満などあるわけがない。0-100km/h加速の4.5秒という数字は、もちろんこのパワーや組み合わせられる8速ATのスムーズな制御、そして4WDの駆動方式が生み出すもの。ワインディングでピュアスポーツ並みのハンドリングを味わった後には、ハイウェイクルーザーとしてのラグジュアリーな走りを楽しむのも悪くはないだろう。V8モデルは、これからもコンチネンタルGTのセールスに、大きな加速度を生み出してくれるだろう。改めてそう確信できたテストドライブだった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

山崎元裕|モーター・ジャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
1963年新潟市生まれ、青山学院大学理工学部機械工学科卒業。少年期にスーパーカーブームの洗礼を受け、大学で機械工学を学ぶことを決意。自動車雑誌編集部を経て、モーター・ジャーナリストとして独立する。現在でも、最も熱くなれるのは、スーパーカー&プレミアムカーの世界。それらのニューモデルが誕生するモーターショーという場所は、必ず自分自身で取材したいという徹底したポリシーを持つ。

《山崎 元裕》

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