【新聞ウォッチ】東芝の不適切会計問題、佐々木副会長ら歴代経営トップに責任論

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2015年7月10日付

●株乱高下値幅740円、終値117円高、中国市場と連動(読売・1面)

●車販売進む米依存、景気堅調、生産拡大、新車を投入(読売・10面)

●リコール費用、タカタに請求、ホンダ社長「原因分かり次第」(読売・10面)

●シェンタ全面改良、トヨタ、12年ぶり(読売・10面)

●ホンダ163万台追加回収、タカタ問題フィットなど17車種(読売・35面)

●東芝前社長「工夫しろ」部下に指示、不適切会計誘発か(朝日・1面)

●インド新車販売0.3%減、6月、8か月ぶり減少(日経・9面)

●期間従業員の「手当」復活、トヨタ、初回更新時10万円(日経・11面)

●三菱自がサマータイム、13日から本社で(日経・12面)

●九州で北米向け生産、日産、来春から年10万台(日経・13面)

ひとくちコメント

今年も多くの会社で社長交代が行われたが、経営トップが指示した一言が、致命的な痛手を受けることも少なくない。東芝の不適切な会計処理を巡る問題で歴代経営トップの責任が取りざたされているが、きょうの朝日の1面トップの「東芝前社長『工夫しろ』」というタイトルは衝撃的である。

なぜ、この見出しが付いたのかといえば、東芝が過去の決算で不適切な処理をしていた問題で、当時社長だった佐々木則夫副会長が、予定通りの利益を上げられない部署に、会議の場やメールで「工夫しろ」と指示していたことが関係者の話でわかったという。

佐々木副社長の辞任についてはすでに報じられていたが、「この発言が利益の水増しや損失隠しを引き起こしたとみられる」と朝日などは伝えている。

毎日も「佐々木社長時代には事業部門側が示した売上高目標をさらに4割上積みするよう求められるケースもあった」と関係者の証言を取り上げている。佐々木氏は経団連副会長職も務めているが、「辞任を迫られる公算が大きい」(読売)とみられる。

もっとも、経営責任は佐々木氏ばかりではなさそうだ。記事によると、「第三者委は、当時副社長だった田中久雄社長がこの指示を認識していたことも把握しており、月内に出す調査報告書にも盛り込む。田中社長の責任も厳しく問われそうだ」(朝日)と報じている。

また、読売も「後任の田中社長も対策を事実上怠ったなどとして、辞任を迫られる見方が強まっている」とみている。

会社名は伏せるが、自動車メーカーでも経営トップが高いハードルの台数目標を掲げたことで、現場が大混乱し、業績不振に陥った例もある。

経営トップの発言は、なかなか撤回できないことも多くそれだけに慎重にならざるを得ない。東芝前社長のように「工夫しろ」とか「(新車開発を)早くしろ」とった指示の発言は要注意だ。

《福田俊之》

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