航空機部品を一括受注する企業集団「KAN」の取り組み

航空 企業動向
神戸航空機クラスター研究会のメンバー。7月初旬に神戸市内で開催された展示会で、試作品を前に。
神戸航空機クラスター研究会のメンバー。7月初旬に神戸市内で開催された展示会で、試作品を前に。 全 1 枚 拡大写真

積極出展が効果、商談相次ぐ

 兵庫県内の中小企業20社が連携し、航空機部品の一括受注を狙った組織「神戸航空機クラスター研究会」(通称KAN、事務局=神戸市機械金属工業会、078・360・3260)が発足し、1年強がたった。「会員同士が本音で話し、責任を持って動く体制ができてきた」。そう語るのは、KAN会長を務めるオオナガ(兵庫県稲美町)の大長勝社長だ。展示会を通じて地道にPRを重ね、商談案件も出てきた。

 「航空機関連部品で我々クラスターへの見積もりの話が幾つかきている」。KAN副会長で、兵庫精密工業所(神戸市兵庫区)の阿倉和哉社長は明かす。

 【幹事会社が窓口】 
 KANは2014年6月に発足し当初は勉強会主体だった。15年に入り活動強化を狙い、川下の大手企業からの受注窓口となり案件調整を行う幹事会社を決めた。川崎重工業は兵庫精密工業所、新明和工業はカルモ鋳工(神戸市西区)、島津製作所は山城機工(神戸市長田区)といった具合だ。

 【特殊工程に課題】 
 また今年は5月に大阪、6、7月は神戸で、KANとして展示会に相次ぎ出展した。10月に東京の展示会にも出る。航空機エンジン関連部品を想定した試作品5点を製作し、KANのパンフレットや映像、名刺も作成。「展示会を機にメンバー同士の関係は密になってきた」と大長会長は手応えを感じている。 もちろん課題もある。参加企業は機械加工グループが16社、表面処理や非破壊検査など特殊工程グループは4社で構成。目指す一貫生産体制は、材料調達から機械加工、特殊工程、組み立てまでを想定する。「航空・宇宙・防衛産業の品質マネジメント規格『JISQ9100』はほとんどのメンバーが取得もしくは準備中だが、特殊工程は我々のボトルネック」(阿倉副会長)と認識。特殊工程を担うメンバーの拡充も必要となる。

 メンバー間では活動における温度差もあるが、「多くの経営者が関わっている以上、成果を出さねば」(カルモ鋳工の高橋直哉社長)との声は強まる。

 【新産業創出狙う】 
 兵庫県は、航空機関連で川崎重工業や新明和工業、住友精密工業などの生産拠点があり「地の利が生かせる」といわれる。新産業創造研究機構(NIRO)が音頭をとる「ひょうご航空ビジネス・プロジェクト」も7月にコーディネーター1人を増員し、活動を強化中だ。 神戸市や兵庫県など行政も航空機産業の育成を掲げる。県下で航空機クラスターが形成できるかは未知数だが、KANのような動きが活発化されれば、期待を持てそうだ。(広瀬友彦)

兵庫ビジネス/神戸の中小20社クラスター発足1年・航空部品活性化に手応え

《日刊工業新聞》

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